Granola vs Fathom 2026年版 — ボットなしAI会議メモ、「自分で書く派」と「全自動派」の決定的な違い

AI会議メモツールを選ぶとき、「ボットなし」で探す人が増えている。取引先とのZoomにOtter.aiのボットがヌッと入ってきた瞬間の気まずさ、あれを二度と味わいたくないからだ。
GranolaとFathomは、どちらもボットなしで会議を記録できるツールとして注目されている。ただし設計思想がまったく違う。Granolaは「自分のメモ + AIの補強」というハイブリッド型。Fathomは「全自動録画・文字起こし・要約」の完全おまかせ型だ。
筆者は両方を1ヶ月ずつ実際の業務会議で使った。週に5〜8回のオンライン会議(社内定例、クライアントMTG、1on1)で試した結果、最終的にたどり着いた使い分けは「外部会議はGranola、社内会議はFathom」だった。
比較表
| 比較軸 | Granola | Fathom | おすすめな人 |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 / Business $14/月 / Enterprise $35/月 | 無料(AI要約5回/月)/ Premium $19/月 / Team $29/月 | 無料で始めたい → Fathom |
| 録音方式 | システムオーディオ直接キャプチャ(完全不可視) | ボットなしモード + 従来のボット録画 | 絶対にバレたくない → Granola |
| 議事録の質 | 自分のメモ + AI補強(ハイブリッド) | 全自動AI要約 + Ask Fathom検索 | 自分のニュアンスを残したい → Granola |
| チーム機能 | Spaces(チーム共有) | Team Edition(CRM連携・コーチング) | 営業チーム → Fathom |
| 外部連携 | Notion / HubSpot / Slack / Zapier | Salesforce / HubSpot / Slack / Notion / MCP | CRM重視 → Fathom |
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多くの英語圏の比較記事は「Granolaがベスト」と結論づけている。だが筆者の結論は違う。日本のビジネス環境では、Fathomの全自動アプローチのほうがフィットするケースが多いと感じた。その理由を以下で説明する。
録音方式: 「完全不可視」の意味が違う
Granolaはデスクトップアプリがシステムオーディオを直接キャプチャする。会議プラットフォーム(Zoom、Google Meet、Teams)を問わず、参加者リストにボットは表示されない。相手に録音していることは100%わからない。
Fathom 3.0ではbot-freeモードが追加された。ただし、bot-freeモードは段階的ロールアウト中で、動画録画を含む完全なbot-free対応はまだ全機能では完了していない。従来のボット型録画も引き続き利用でき、こちらのほうが安定して動画の録画・クリップ作成ができる。
筆者の率直な感想: Granolaの「完全不可視」は本物だ。クライアントとの1on1で使って、相手に一切気づかれなかった。一方、Fathomのbot-freeモードは、テキスト要約は問題ないが動画クリップの作成は従来のボット型のほうが安定している。
議事録の質: ここが最大の分岐点
Granolaの議事録は、会議中に自分が走り書きしたメモをAIが補強する形で生成される。「予算50万」「納期は7月末」と打っておけば、AIがその文脈を拾い、前後の会話と組み合わせて構造化されたノートに仕上げてくれる。
これが決定的に違う。自分のメモが入っている分、議事録に「自分のニュアンス」が残る。AIだけが書いた要約は、往々にして「正確だけど大事なところが抜けている」感覚がある。Granolaにはそれがない。
Fathomは完全自動だ。会議に参加するだけで、録画・文字起こし・AI要約・アクションアイテム抽出まで全部やってくれる。手を動かす必要がゼロな代わりに、AIの判断に100%委ねることになる。
正直なところ、筆者は最初Granolaのハイブリッド方式に懐疑的だった。「会議中にメモなんて取ってたら、結局マルチタスクの地獄に戻るじゃないか」と。でも実際に使ってみると、キーワードを3〜5個打つだけでいい。そのわずかな入力が、議事録の品質を劇的に変える。
ただし、議事録の品質より議事録の存在のほうが大事な会議もある。社内の定例ミーティングや情報共有会では、FathomのAuto-Joinで自動録画・自動要約のほうが合理的だ。
料金: 無料プランの設計が対照的
Granolaの無料プランは基本的なAIノート機能が使えるが、会議履歴が25件までに制限される。Business($14/月)にすると無制限になり、Notion・HubSpot等の連携も解放される。
Fathomの無料プランは録音・文字起こしが無制限で、月5回のAI要約が付く。Premium($19/月)にするとAI要約が無制限になり、カスタムテンプレートやZapier連携が追加される。
重要な違い: Granolaは無料でもAIノート生成は無制限(履歴の上限がある)。Fathomは録音は無制限だがAI要約が月5回に制限される。どちらの「無料」が自分に合うかは、会議の頻度次第だ。週に2〜3回の会議ならFathomの月5回で足りる。毎日のように会議がある人はGranola無料のほうが使い出がある。
チーム・営業活用: Fathomの独壇場
チームや営業組織で使うなら、Fathomに大きなアドバンテージがある。Team Edition($29/月)にはAIスコアカードによる営業トークのコーチング機能、共有ライブラリ、キーワードアラートが含まれる。SalesforceやHubSpotへの自動同期は、営業マネージャーにとって会議後のCRM入力という苦行を消してくれる。
GranolaのSpacesは2026年に入って強化されたが、CRM連携はHubSpotのみ。営業チームの「全会議を検索可能にして、商談の進捗を自動追跡する」ニーズには、Fathomのほうが完成度が高い。
一方、経営者やコンサルタントのように「自分の頭で会議をまとめたい」人にはGranolaが合う。チーム共有より個人の思考整理に最適化されたツールだ。
連携とデータ活用: MCP対応がFathomの隠れた強み
Fathom 3.0はChatGPTやClaudeからMCP経由で会議データに直接アクセスできる。「先月のA社との会議で、予算についてどんな話が出た?」とChatGPTに聞くと、Fathomの録音データを参照して回答してくれる。
この連携は、会議AIの使い方を根本的に変える可能性がある。議事録を「読む」時代から「聞く」時代へ。GranolaにもAIチャット機能はあるが、外部LLMとのMCP接続はFathomのほうが先行している。
使い分けガイド: 筆者のおすすめ
日本のビジネスパーソンへの現実的なアドバイス:
取引先やクライアントとの外部会議にはGranolaを使うのがいい。ボットが完全に不可視で、相手に録音を意識させない。日本のビジネス文化では、録音の存在自体がコミュニケーションの質を変えてしまうことがある。Granolaならその心配がない。
社内の定例会議やチームMTGにはFathomが合う。Auto-Joinで勝手に録画が始まり、終わったら自動でSlackに要約が流れる。社内なら「AIが録画してる」は問題にならないし、全自動のほうが楽だ。
両方使うなら、Granolaの無料プラン + Fathomの無料プランで始めるのが費用ゼロで試せる。それぞれ「外部用」「社内用」で2週間使ってみて、どちらに課金するか決めればいい。筆者の場合、結局GranolaのBusiness($14/月)だけで落ち着いた。社内会議はFathomの無料プラン(月5回の要約)で足りたからだ。
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