FlowTune Media

AI議事録ツール比較 2026年版 — Fathom・Granola・Notion・Read AI、会議メモを任せるならどれか

会議メモを全部AIに任せたいなら、まずFathomを試してほしい。 ボットなしで録音でき、無料枠も十分。ただし「会議メモをNotionに集約したい」ならNotion AI Meeting Notes一択だし、「メールやSlackも含めた横断検索」が欲しいならRead AIのほうが向いている。

筆者は4ツールを実際の社内定例・クライアントミーティングで2週間使い比べた。Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsの3プラットフォームで、同じ会議を複数ツールで同時録音して精度を検証している。

4ツール比較表

※価格は2026年4月25日時点の各公式サイト情報です。

項目 Fathom Granola Notion AI Read AI
無料枠 録音無制限、AI要約5回/月 録音無制限(履歴制限あり) Plus以下はAI 20回のみ AI要約5回/月
有料プラン Premium $19/月 Business $14/ユーザー/月 Business $20/ユーザー/月 Pro $19.75/ユーザー/月
ボットなし録音 ◎ 3.0で対応 ◎ ローカル処理 ○ Notion内で完結 △ ボット参加あり
話者分離
日本語対応
外部連携 CRM、ChatGPT、Claude MCP Notion、HubSpot、Slack、MCP Notionワークスペース統合 Google Drive、Slack、メール横断
独自機能 15+テンプレート、ハイライトクリップ 手書きメモ+AI補強 Cmd+K起動、カスタムテンプレート Ada(デジタルツイン)
おすすめな人 無料で始めたい個人 メモを自分で書きたい人 Notionユーザー 会議以外も横断管理したい人

Fathomを無料で試すGranolaを試すNotion AI Meeting NotesRead AIを試す

各ツールの実力と限界

Fathom — 無料枠の太さとボットなし録音が光る

Fathom 3.0で最も評価すべきはボットなし録音だ。「AIボットが会議に入ってきて気まずい」という問題が完全に解消された。Zoom、Google Meet、Teamsの3大プラットフォームに対応し、録音自体は無制限で無料。AI要約は月5回までだが、まず試すには十分だ。

ChatGPTやClaudeとのMCP連携も3.0で追加された。会議の内容をそのままAIに「先週の定例で決まったことを箇条書きにして」と聞ける。15種類以上の要約テンプレートも使い分けに便利で、営業向け・エンジニア向け・マネージャー向けと出力形式を変えられる。

弱点は「録音後の活用」が個人完結になりがちなこと。 チームでの共有機能はTeam Edition($29/月)以上が必要で、個人の無料枠だけだと「自分用のメモ」にとどまる。CRM連携もSalesforce・HubSpotの本格統合はTeam Edition Proからだ。

Premium($19/月)は2026年3月に値上げされた(旧$15/月)。年払いなら約$15/月に抑えられる。

Granola — 手書きメモとAIの融合という独自路線

Granolaの発想は他の3ツールと根本的に違う。完全自動の文字起こしではなく、「自分がメモした内容をAIが補強する」というアプローチだ。会議中にキーワードだけ走り書きしておけば、終了後にAIが文脈を補完して完全な議事録に仕上げてくれる。

ローカルで音声を処理するため、プライバシーの面でも安心感がある。評価額15億ドル(約2,200億円)に到達し、成長速度は4ツール中で最も速い。MCP対応により、Claude、ChatGPT、Cursorとの連携も可能になった。

弱点は「受動的な録音に向かない」こと。 筆者が困ったのは、聞くだけの全社ミーティングだった。自分がメモを取らない会議だと、Granolaの「メモ補強」という長所が活きない。こういう場面ではFathomやRead AIのほうが適している。

Business($14/ユーザー/月)は4ツール中で最安。ただし無料プランは会議履歴に制限があるため、過去の会議を遡りたい場合は早めに有料化が必要になる。

Notion AI Meeting Notes — Notionユーザーなら唯一無二

NotionのAI議事録の最大の利点は、ワークスペースとの統合だ。議事録がそのままNotionのデータベースに入り、プロジェクトページやタスクと紐づく。Cmd+K(Ctrl+K)一発で起動でき、カスタムインストラクションでチーム独自の議事録フォーマットを設定できる。

日本語の精度も高い。筆者が試した4ツールの中では、固有名詞やカタカナ語の認識精度が最も安定していた。Notionのデータベースフィルター機能を使えば「特定のプロジェクトに関連する会議だけ」を一覧表示するのも簡単だ。

弱点は料金の高さ。 AI Meeting Notesをフルに使うにはBusinessプラン($20/ユーザー/月)が必要で、4ツール中で最も高い。Plusプラン($8/ユーザー/月)ではAIの利用回数が20回に限られ、実質的に議事録ツールとしては使えない。Notion自体を使っていないチームにとっては、議事録のためだけに移行するのはハードルが高い。

Read AI — 会議だけで終わらない「横断検索」の強み

Read AIのAdaは4ツールの中で最も野心的な機能だ。会議の議事録だけでなく、メール、Slackメッセージ、Googleドキュメントまで横断的にAIが検索・要約してくれる。「先月のクライアントAとのやり取りをまとめて」と聞けば、会議録音・メール・チャットを統合した回答が返ってくる。

Adaの「デジタルツイン」機能は、本人不在時にメール経由で質問に自動応答する仕組み。チームメンバーが「○○さん、あの件どうなった?」とメールすると、過去のやり取りを元にAdaが代理で回答する。SFめいた機能だが、実務では「出張中の問い合わせ対応」などで思いのほか使えた。

弱点はボットの存在感。 Read AIは現時点でもボットが会議に参加する方式を採用している。FathomとGranolaがボットなしに移行した今、この点は明確なマイナスだ。社外ミーティングで「謎のAIボットが入ってきた」と相手に不信感を与えるリスクがある。

Pro($19.75/ユーザー/月)は年払いで$15/月になる。学生向けの$5/月プランがあるのは珍しい。

結局どれを選ぶべきか

多くの比較サイトが「万能なのはRead AI」と推す傾向にあるが、筆者の結論は違う。まず無料でFathomを試し、不足を感じたら用途に応じて乗り換えるのが最も合理的だ。

理由はシンプルで、Fathomは無料枠で「ボットなし録音+AI要約5回/月」が使える唯一のツールだからだ。まずこれで2〜3週間の会議を録音し、自分にとって何が足りないかを体感してから次を選ぶのがいい。

  • メモは自分で取りたい、AIには補完だけしてほしい → Granola($14/月で最安)
  • 議事録をNotionのプロジェクト管理に直結させたい → Notion AI Meeting Notes($20/月)
  • 会議だけでなくメール・チャットまで横断管理したい → Read AI($19.75/月)
  • まず無料で始めたい、ボットなしがいい → Fathom(無料)

意外だったのは、Granolaの「手書きメモ+AI補強」が想像以上に自然なワークフローだったことだ。議事録ツールは「全自動」が正義だと思い込んでいたが、自分のメモをベースにAIが肉付けする方式のほうが、後から読み返したときの理解度が高い。全自動のほうが楽なのは間違いないが、「自分の言葉で残る」価値は思ったより大きかった。

AI議事録ツールは「ボットなし」の時代へ

2026年のAI議事録市場で最も大きな変化は、ボットなし録音が標準になりつつあることだ。FathomとGranolaが先行し、Notionもワークスペース内で完結する方式を採用した。Read AIはまだボット方式だが、今後の対応が注目される。

どのツールも無料で試せる。迷っているならFathomで1週間録音してみて、自分の会議スタイルに合うかどうかを確かめるのが一番早い。


関連記事: 「あの会議で何が決まった?」をAIに聞くだけ — 無料のFathom 3.0が静かに変えること

関連記事: Granola レビュー — 会議メモの「あの地獄」を終わらせるAIノートパッド

関連記事: Read AI Ada — メールだけで動く「もう一人の自分」は仕事をどう変えるか

関連記事