Devin Desktop vs Cursor 徹底比較【2026年最新】Windsurf統合後、AI IDEの勢力図が変わった
2026年6月2日、CognitionがWindsurfを「Devin Desktop」にリブランドした。名前が変わっただけではない。デフォルト画面がAgent Command Centerになり、ローカルエージェントはRust製のDevin Localに刷新され、外部エージェントを受け入れるAgent Client Protocol(ACP)が標準搭載された。
一方のCursorも5月にComposer 2.5とBuild in Parallelを投入し、マルチエージェント対応を強化している。
結論から言うと、「コードを自分で書きたい人」はCursor、「タスクをエージェントに任せたい人」はDevin Desktopが合う。 同じ$20/月でも、設計思想がまるで違う2つのIDEを5つの軸で比較した。
比較表:Devin Desktop vs Cursor(2026年6月時点)
| 比較軸 | Devin Desktop | Cursor |
|---|---|---|
| 設計思想 | エージェント管理が中心。IDEはその器 | コード編集が中心。AIはその補助 |
| 料金(個人) | 無料 / Pro $20/月 / Max $200/月 | Hobby 無料 / Pro $20/月 / Pro+ $60/月 / Ultra $200/月 |
| 料金(チーム) | $40/ユーザー/月 | Standard $32/席/月〜 / Premium $96/席/月〜(年額) |
| ローカルエージェント | Devin Local(Rust製、旧Cascade後継) | Composer 2.5(独自モデル) |
| 並列処理 | Spaces + 複数エージェント同時稼働 | Build in Parallel(サブエージェント分岐) |
| 外部エージェント | ACP対応(Codex, Claude Agent, OpenCode等) | MCP対応(ツール統合) |
| クラウドエージェント | Devin Cloud(自律型、PR作成まで) | Background Agents(バックグラウンド実行) |
| おすすめな人 | タスク委任派。複数エージェントを管理したい人 | ハンズオン派。コードを見ながら一緒に書きたい人 |
※価格は2026年6月7日時点の公式サイト情報です。Cursorは7月1日からTeams料金が改定されます。
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1. 設計思想 — 「エディタの中のAI」vs「AIの中のエディタ」
この2つを比べるうえで最も重要なのが、根本の設計思想の違いだ。
Cursorは「エディタファースト」。 VS Codeをフォークし、コード編集のあらゆる場面にAIを溶け込ませた。Tabキーで候補を受け入れ、インライン差分を確認し、Composerでマルチファイル編集を指示する。AIが何を変えようとしているか、常に目の前で見える。
Devin Desktopは「エージェントファースト」。 リブランド後のデフォルト画面はAgent Command Center — Kanbanボード風のダッシュボードで、稼働中の全エージェントのステータスが一覧できる。コードエディタはもちろんあるが、それは「エージェントの作業結果を確認する場所」という位置づけに近い。
正直、最初にDevin Desktopを開いたとき「これはIDEなのか?」と戸惑った。エディタではなくカンバンボードが表示される体験は、Cursorユーザーからすると異質だ。だが、複数のタスクを並行して走らせる使い方に慣れると、この設計の意図が見えてくる。
Windsurf時代は「エディタ+AI」だったが、Devin Desktopは「エージェント管理ツール+エディタ」に舵を切った。この転換が今回のリブランドの本質だ。
2. エージェント性能 — Composer 2.5 vs Devin Local
Cursorの武器:Composer 2.5
Cursorが5月に投入したComposer 2.5は、独自に訓練されたモデルで、Opus 4.7やGPT-5.5と同等のベンチマークスコアを叩き出す。特徴は「承認ゲート」を挟む設計だ。エージェントが計画を立て、変更内容を見せ、GOサインを待ってから実行する。
Build in Parallelも強力で、1つのプロンプトからN個のサブエージェントを生成し、それぞれが別のサブタスクを担当する。結果は自動でマージされる。ファイルツリー規模のマルチファイルリファクタリングもこなせる。
Devin Desktopの武器:Devin Local + Devin Cloud
Devin Localは旧Cascadeの後継で、Rustでゼロから書き直された。トークン効率は最大30%向上し、サブエージェント機能が追加された。CascadeはEOL(2026年7月1日終了)となる。
ただし、Devin Desktopの真の強みはDevin Cloud(クラウドエージェント)との連携だ。ローカルでは手元のコードを触りながら、クラウドでは自律的にブランチを切ってPRを作成する。「自分がコードレビューしている間に、別のタスクがクラウドで進行している」というワークフローが成り立つ。
率直に言うと、単発タスクの品質ではComposer 2.5の方が安定している。 SWE-bench Multilingual 79.8%(Cursor)vs SWE-bench Verified 45.8%(Devin自律モード)というベンチマーク差もある。ただし評価基準が異なるため単純比較はできない。Devinの強みは「1つのタスクの品質」より「複数タスクの並行管理」にある。
3. 外部連携とプロトコル — ACP vs MCP
ここが今回のリブランドで最も注目すべき変化だ。
Devin Desktopは「Agent Client Protocol(ACP)」をApache 2.0ライセンスで公開した。 ACPは外部エージェントをDevin Desktopの中で動かすためのプロトコルで、ローンチ時点でCodex、Claude Agent、OpenCode、Junieなどが対応している。つまり、Devin Desktop 1つで複数ベンダーのエージェントを使い分けられる。
CursorはMCP(Model Context Protocol)対応で先行している。 MCPはエージェントとツールを接続するプロトコルで、データベース、API、外部サービスとの統合に使われる。エコシステムの成熟度ではCursorが一歩先だ。
方向性が違うのがポイントだ。ACPは「エージェントを中に入れる」、MCPは「ツールを中に入れる」。一つのIDE内で複数のAIコーディングエージェントを走らせたいならDevin Desktop、AIに様々な外部ツールを使わせたいならCursorという棲み分けになる。
4. 料金の実質コスト — 同じ$20でもここが違う
個人のProプランはどちらも$20/月。だが中身はかなり違う。
Cursorは「クレジット制」。 Proプランには月$20分のクレジットプールがあり、使ったモデルや機能によってクレジットが消費される。Composer 2.5はインプット$0.50/M、アウトプット$2.50/Mトークンだ。ヘビーに使うとProの枠を超えることもあり、その場合はPro+($60/月)やUltra($200/月)に上げるか、従量課金を受け入れることになる。
Devin Desktopは旧Windsurf時代のプラン構成をそのまま引き継いでいる。 無料、Pro $20/月、Max $200/月。Devin Cloudのエージェント実行にはAgent Compute Unit(ACU)が別途かかる。ローカル作業だけならProで足りるが、クラウドエージェントを多用すると実質コストが跳ね上がる可能性がある。
チーム利用ではCursorが安い。 CursorのStandard席は年額で$32/月、Devin Desktopは$40/月。ただしCursorは7月1日から新料金体系に移行するため、今後の変動に注意が必要だ。
個人で$20/月だけ使う前提なら、正直どちらでも大差ない。差が出るのは「クラウドエージェントをどれだけ使うか」と「チームの人数」だ。
5. 並列タスク管理 — Spaces vs Build in Parallel
両ツールとも「複数タスクの同時処理」に対応しているが、思想が異なる。
Devin DesktopのSpacesは、関連するエージェントセッション・PR・ファイル・コンテキストをグループ化する仕組みだ。複数のエージェントがSpaceを介してコンテキストを共有でき、各エージェントがゼロからコンテキストを構築し直す必要がない。「プロジェクト」のようなまとまりでエージェントを管理する発想だ。
CursorのBuild in Parallelは、1つのプロンプトからサブタスクを分割し、サブエージェントを並行実行する機能だ。たとえば「フロントエンドのフォーム、バックエンドのAPI、テストをそれぞれ作って」と指示すると、3つのサブエージェントが同時に動く。結果は自動マージされる。
Devin Desktopは「異なるタスクを並行で走らせる」、Cursorは「1つのタスクを分割して並行処理する」。スケールの方向が違う。大きなプロジェクトで複数の独立した機能開発を回すならDevin Desktop、1つの機能を高速に実装するならCursorが向いている。
使い分けガイド:どちらを選ぶべきか
Devin Desktopがおすすめな人
- タスクを委任して、完成したPRをレビューする働き方がしたい
- 複数のエージェント(Codex、Claude Agent等)を1つの画面で管理したい
- クラウドエージェントで夜間や離席中もタスクを進めたい
- Windsurf 2.0を使っていて、設定をそのまま引き継ぎたい
Cursorがおすすめな人
- コードの変更を1行ずつ確認しながら進めたい
- Tab補完やインライン差分など、エディタ体験を重視する
- MCP連携で外部ツールやデータベースをAIに使わせたい
- 単発タスクの品質と精度を最優先する
筆者の見解
多くの比較記事では「両方使い分ければいい」と結論づけているが、実際にはメインエディタは1つに決めた方が生産性は上がる。筆者の現時点での推しはCursorだ。理由はシンプルで、Composer 2.5の出力品質が頭一つ抜けている。コードの変更が目の前で展開される安心感も、特に本番コードを触る場面では大きい。
ただ、Devin DesktopのACP対応は今後の展開次第で評価が変わりうる。「どのエージェントでも受け入れるプラットフォーム」という方向性は、エージェントの性能が拮抗してくる将来を見据えると合理的だ。Devin Desktopの設計は「3年後のための選択」という印象を持っている。
Cursorを試してみる|Devin Desktopを試してみる
まとめ
Devin DesktopとCursorは、「AIコーディングツール」というカテゴリでは同じでも、根本の哲学が違う。Devin Desktopは「エージェントのハブ」、Cursorは「AIを内蔵した最強のエディタ」だ。
どちらも無料プランがあるので、まずは普段のワークフローで1週間ずつ試してみるのがベストだ。自分が「コードを見たい人」なのか「結果だけ見たい人」なのか、使ってみると意外とはっきりする。
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