FlowTune Media

Windsurf 2.0、Devinを飲み込んだ — 「ローカル+クラウド」でCursorと真逆の道を行く

CursorがAgent Tabsで「ローカルに複数エージェントを並べる」方向に進んだ同じ週、Windsurfは正反対の手を打った。クラウドのAIコーディングエージェント・Devinを、IDE内に統合したのだ。

4月15日にリリースされたWindsurf 2.0の目玉は3つ。Agent Command Center、Devin統合、Spaces。いずれも「IDE内でローカルとクラウドのエージェントを統一管理する」というコンセプトに貫かれている。

Agent Command Center — エージェントをKanbanで捌く

Windsurf 2.0を開いて最初に目に入るのが、Agent Command Centerだ。

すべてのエージェントセッション——ローカルで動くCascadeと、クラウドで動くDevin——をKanban形式で一覧表示する。ステータス(実行中・待機中・完了)でフィルタし、プロジェクト単位でグルーピングできる。

従来のAI IDEでは、エージェントのセッションはチャットウィンドウの中に埋もれていた。3つ4つ同時に走らせると、どれが何をやっているのか追いかけるのが大変だった。Command Centerはこの問題を、タスク管理ツール的なUIで解決しようとしている。

これは正直、地味だが実用的だと思う。エージェントの数が増えるほど「管理画面」の必要性は高まる。Cursorが複数エージェントをタイルで並べるアプローチを取ったのに対し、Windsurfはメタレベルの管理層を置いた。方向性の違いが面白い。

Devin統合 — クラウドにタスクを投げて帰る

2.0最大のニュースは、Cognition AIのDevinがWindsurf内から直接使えるようになったこと。

ワークフローはシンプルだ。ローカルのCascadeでタスクの計画を練り、実行フェーズでワンクリックでDevinに委任する。Devinはクラウド上の専用VM(仮想マシン)で動くため、ターミナル、ブラウザ、デスクトップ操作込みの作業をこなせる。ノートPCを閉じて帰っても、Devinは裏で作業を続ける。

Pro、Max、Teamsプランに標準搭載されており、Devinの利用分はWindsurfの共有クォータから消費される。新規でGitHub連携するユーザーには$50のボーナスクレジットもつく。

ここで気になるのはコスト感覚だ。Devinのタスクがどれくらいクォータを食うのかが事前にわかりにくい。ローカルのCascadeで済むタスクをDevinに投げると、不必要にクォータを消費する可能性がある。Adaptive Modelはこの問題を部分的に緩和する(後述)が、ユーザー側の判断力も求められる。

Spaces — 文脈をタスク単位でまとめる

もう一つの新機能がSpaces。エージェントセッション、プルリクエスト、関連ファイルを一つのタスクの下にバンドルする機能だ。

たとえば「認証機能のリファクタリング」というSpaceを作れば、そのタスクに関連するCascadeのセッション、Devinが作ったPR、関連する設計ドキュメントが一箇所にまとまる。翌日に作業を再開するとき、文脈を思い出すために過去のチャットログを遡る必要がない。

Cursorの場合、ワークツリー(/worktreeコマンド)でコードの分離はできるが、セッション+PR+ファイルを横断してグルーピングする仕組みは持っていない。チーム開発で「誰がどのタスクをどこまで進めたか」を把握するには、Spacesのほうが見通しがいい。

Adaptive Model — クォータを節約する自動運転

モデルピッカーに新たに加わった「Adaptive」オプション。タスクの内容に応じて、最適なモデルを自動で選択する。簡単なコード補完にはコスト効率のいい小さなモデル、複雑なリファクタリングにはプレミアムモデルを割り当てる。

地味だが、実はこれがクォータ制のWindsurfにとって最も重要な機能かもしれない。「毎回最高性能のモデルを使う」設定にすると、クォータが月半ばで枯渇する。Adaptiveモードならモデル選択をシステムに任せて、クォータを月末まで持たせる運用ができる。

加えて、プロンプトキャッシュタイマーがコンテキストウィンドウのインジケーターに統合され、各メッセージ送信後にトークン数が表示されるようになった。自分のクォータ消費をリアルタイムで把握できる。この透明性は好感が持てる。

Cursor 3.1と何が違うのか

同じ週にメジャーアップデートを出したCursor 3.1と比べると、設計思想の違いが鮮明だ。

Cursor 3.1はローカル重視。Agent Tabsで複数エージェントを画面上にタイル配置し、ワークツリーでリポジトリを分離する。すべてローカルで完結する。クラウドエージェントとの統合はない。

Windsurf 2.0はハイブリッド。ローカルのCascadeとクラウドのDevinを行き来する。計画はローカルで、実行はクラウドで。Command CenterとSpacesで全体を管理する。

どちらが良いかは使い方による。個人開発者がローカルで高速に回したいならCursor。チームで大きなプロジェクトを進めていて、重い作業をクラウドに委任したいならWindsurf。

ただ、Windsurfの「Devin同梱」は戦略として大胆だと思う。Devin単体では年間数千ドルかかるクラウドエージェントが、Windsurfのプランに含まれている。この価格戦略が持続可能かどうかは正直わからないが、ユーザーにとっての初期障壁は確実に下がった。

料金

プラン 月額 Devin利用
Pro $15 共有クォータ内
Max $30 共有クォータ内
Teams $35/ユーザー 共有クォータ内
Enterprise 要問い合わせ カスタム

Product Huntで62レビュー、平均4.66/5と評価は高い。「Devinがプランに含まれている」という点だけでも、AIコーディングツールを比較検討中のユーザーは一度触ってみる価値がある。

関連記事