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月500ドルが消えた — Devinの新料金体系で何が変わったのか

Devinの料金が、また変わった。

2024年に月500ドルの衝撃的な価格で登場し、2025年末にDevin 2.0で月20ドルまで下げ、そして2026年4月、Cognitionは料金体系そのものを作り替えた。旧Core/Teamプランを廃止し、Free・Pro・Max・Teams・Enterpriseの5段階構成に移行する。

公式ブログの発表を読むと、単なる値段の変更ではない。課金の仕組み自体が変わっている。

何が変わったのか

最大の変更点は3つ。

1. ACU(Agent Compute Unit)の廃止

これまでDevinの利用量はACUという独自単位で計算されていた。1 ACU = いくら、という換算が必要で正直わかりにくかった。新プランでは、プランに含まれるクォータ(利用枠)を超えた分はドル建ての従量課金になる。シンプルになった。

2. 無料だった機能の有料化

Ask Devin(チャットで質問)、DeepWiki(リポジトリ自動ドキュメント化)、Devin Review(PRレビュー)がこれまで無料提供だったが、今後は従量課金に移行する。Devin Reviewは1回あたり2〜3ドルの見込み。

PRレビューを日に何十回も回している開発者にとっては地味に痛いはずだ。

3. Teamプランの敷居引き下げ

旧Teamプランは月500ドルと高額で、個人やスモールチームには手が出なかった。新Teams プランは共有ビリングと管理者機能を備えたまま、エントリーポイントを大幅に下げている。

プラン構成

devin.ai/pricingによると:

プラン 想定ユーザー 特徴
Free 試してみたい個人 基本機能を無料で。旧Coreの従量課金構造はなくなる
Pro 継続利用する個人 クォータ付きの月額制
Max ヘビーユーザー個人 より大きなクォータ
Teams チーム・スモール企業 共有ビリング、管理者機能、コラボ機能
Enterprise 大企業 VPC・SaaS選択可、カスタム価格

具体的な月額はPro/Maxについて公式から明示されていないが、旧Core(月20ドル)からの移行であることを考えると、Proが20〜50ドル、Maxが100〜200ドルの範囲が妥当な推測だ。

Cursor・Claude Codeとの比較で見えること

AIコーディングツールの料金を横並びにすると、面白いことがわかる。

  • Cursor Pro: 月20ドル(クォータ制)
  • Claude Code: API従量課金 or Max月200ドル
  • Windsurf Pro: 月20ドル(クォータ制)
  • Devin Pro: 月額未公表(おそらく20〜50ドル)

表面上の月額は似てきた。だがDevinの本質は「バックグラウンドで自律的にタスクを完遂する」点にあり、CursorやClaude Codeとは使い方が根本的に異なる。Cursorは人間が操縦するツール、Devinは仕事を丸投げするエージェント。そこに月額の差以上の価値を感じるかどうかが、選択の分かれ目になる。

誰に影響があるか

旧Coreユーザー: Freeプランに自動移行される。従量課金でちょっとだけ使っていた人は、Pro以上に上げないとFreeの制限に引っかかる可能性がある。

旧Teamユーザー: 新Teamsプランに移行。月額は下がるはずだが、これまで無制限に使えていたDevin ReviewやDeepWikiが有料になるので、使い方次第では実質コストが上がるケースもある。

新規ユーザー: プランの選択肢が増えたこと自体はポジティブ。ただ、Free→Pro→Maxの境界がクォータ依存なので「自分がどれくらい使うか」の見積もりが必要。使い始めてみないとわからない部分は残る。

正直な感想

料金体系としては健全な方向に進んでいる。500ドル一択から5段階に広げ、個人開発者が手を出しやすくなった。ACUの廃止も歓迎だ。

ただ、DeepWikiとDevin Reviewの有料化は、無料でファンを増やしてから課金に切り替えるパターンそのもの。特にDevin Reviewはコードレビューの自動化として評価が高かっただけに、1回2〜3ドルが積み重なるとそれなりの額になる。GitHub Copilot Code Reviewや CodeRabbitとの比較で、そのコストに見合うかは慎重に検討すべきだ。

Devinは「自律型エージェント」という独自のポジションを持っている。その価値に月額を払う覚悟があるなら、新料金体系はより入りやすくなった。

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