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年290万円のBloomberg Terminalに、月3万円のAIが挑む — Perplexity Computer for Finance

Bloomberg Terminalの年間利用料は約$24,000、日本円にしておよそ290万円。金融業界では「高い、でも代わりがない」で30年以上通ってきた。その牙城に、月$200のAIエージェントが正面から突っ込んできた。

2026年5月5日、PerplexityはComputer for Professional Financeを発表した。金融チームが毎日こなすリサーチ・分析・意思決定ワークフローを自動化するAIエージェントだ。

Perplexity Computer for Professional Finance

何ができるのか

20以上のフロンティアモデルを単一のオーケストレーション層に統合し、ライブの金融APIからデータを引き込みながら作業する。ティアシート、投資メモ、ダッシュボード、注釈付きチャートを生成でき、すべてに監査証跡(audit trail)が付く。AIが出した数字の根拠を追跡できる点は、コンプライアンス上の必須要件だ。

MCPコネクターでMorningstar、PitchBook、Daloopa、Carbon Arcに接続し、QuartrやFiscalを含む14プロバイダーの金融ツールも搭載。Microsoft TeamsとAgent APIに対応済みで、Excel対応も予告されている。

価格破壊は本物か

Maxプラン月額$200(約30,000円)で月10,000クレジット付き。年間約36万円で、Bloomberg Terminalの約290万円と比べればコストは8分の1以下だ。

ただし単純比較はフェアではない。Bloombergはリアルタイム市場データ、チャット機能(金融業界のデファクト連絡網)、トレーディング発注まで含む統合基盤だ。Perplexityが置き換えるのは「リサーチ・分析」レイヤーに限られる。

むしろ本当のインパクトは、Bloombergを持てなかった中堅アセットマネージャーやフィンテック企業に、月$200でプロのリサーチ環境が開放される点だろう。Bloombergの代替ではなく、金融リサーチの民主化——そちらが本質だ。

確定申告のComputer for Taxes、資料生成のDeep Research、そして今回の金融業務。Perplexityは「検索エンジン」から「業務特化型AIエージェント」へ着実にピボットしている。

Perplexity(公式サイト)

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