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Notion 3.4で「ダッシュボード」と「スライド」が来た — BIツールとプレゼンツールが要らなくなる日

Notionにデータベースのダッシュボードビューが付いた。そしてどのページでも、区切り線を入れるだけでスライドショーになるようになった。

Notion 3.4

3月26日から段階的にロールアウトされているNotion 3.4の2つの新機能は、見た目の派手さこそないが、「Notionの外に出る理由」をまたひとつ減らすものだ。これまでKPIの可視化にはTableauやLooker Studioを、プレゼン資料にはGoogleスライドやGammaを使っていたユーザーが、Notion内で完結できるケースが増える。

ダッシュボードビュー — データベースを「見る」ための画面

Notionのデータベースにはこれまでテーブル、ボード、カレンダー、タイムラインなどのビューがあった。3.4で追加されたダッシュボードビューは、複数のチャート・数値ウィジェット・テーブルを1画面に並べてKPIを一覧できるビューだ。

作り方はシンプル。データベースを開いて「+ ビューを追加」からDashboardを選ぶ。するとEdit modeに入り、ウィジェットの配置を始められる。

使えるウィジェットは主に3種類。チャート(棒・線・円・ドーナツ)、数値ウィジェット(KPIカードのように1つの指標を大きく表示)、そしてテーブルやボードなどの既存ビューの埋め込み。数値ウィジェットは地味ながら今回の注目機能で、「今月の売上」「未対応チケット数」のような単一の数字をドーナツチャートに包まずにそのまま表示できる。

特に実用的なのがグローバルフィルターだ。ダッシュボード内のすべてのビューを一括でフィルタリングできる。たとえば「Q1のデータだけ見る」と指定すれば、チャートもテーブルもKPIカードも全部Q1に切り替わる。個別にフィルターを設定し直す手間がなくなるのは、日常的にデータを見る人には大きい。

AIアシスタントの統合もある。ダッシュボードを新規作成するとき、Notion AIがデータベースのプロパティを分析して「このチャートとこのKPIカードを配置したらどうですか」と提案してくれる。自分でゼロから組み立てる手間を省ける。

ただし、1つのダッシュボードに配置できるビューは最大12個。そしてこの機能はBusiness以上のプラン限定だ。月額18ドル/ユーザー(年払い)からとなる。Freeプラン・Plusプランでは使えない。ここは正直、痛い制約だろう。個人利用で「タスクの進捗を可視化したい」程度の用途なら、無料のLooker Studioで事足りてしまう。

ダッシュボードが真価を発揮するのは、すでにNotionをチームのワークスペースとして使い込んでいるケースだ。プロジェクト管理のデータベースもCRMもドキュメントもNotion上にあるなら、そこに可視化レイヤーを追加できるメリットは大きい。データの「住所」を変えずにダッシュボードが作れるのが強みで、Looker StudioやTableauに接続するためのデータエクスポートという余計な一手が消える。

プレゼンテーションモード — 区切り線がスライドになる

もうひとつの目玉がプレゼンテーションモードだ。Notionの任意のページで、区切り線(---)を入れるとそこがスライドの区切りになる。⌘⌥P(Mac)またはCtrl+Alt+P(Windows)で即座にスライドショーが始まる。

発想がとにかく潔い。専用のスライドエディタを作るのではなく、普段使いのドキュメントをそのまま「見せる」ためのモードを足しただけ。凝ったアニメーションやトランジションはない。テキスト、画像、データベースビュー、トグルブロックがそのままスライド上に乗る。

このアプローチは、社内の打ち合わせや進捗報告のように「既にNotionに書いてある情報を画面に映す」場面でとんでもなく楽になる。わざわざGoogleスライドに転記する工程が消える。ドキュメントを更新すれば、次のプレゼン資料も自動的に最新になる。二重管理がなくなるのは、チームの運用コストを確実に下げる。

ただ、外部向けのピッチデックやクライアント提案資料としては物足りない。デザインの自由度はGammaやGoogleスライドに遠く及ばないし、テーマ選択もない。あくまで「社内用途の効率化ツール」として捉えるのが正確だ。

プレゼンテーションモードはPlusプラン(月額10ドル/ユーザー)以上で利用可能。ダッシュボードよりは敷居が低い。

サイドバー再設計 — 情報の入口が変わった

3.4ではサイドバーも整理された。ページ、エージェントチャット、ミーティング、通知の4タブ構成になり、目的別にアクセスしやすくなっている。

地味だが、Custom Agentsとのチャット履歴がサイドバーから直接開けるようになった点は、前回のCustom Agents記事で触れたエージェント活用をさらに日常に近づけるものだ。

正直な感想

ダッシュボードもプレゼンテーションモードも、それぞれの専門ツールと比べれば機能は限定的だ。TableauやLooker Studioの分析の深さ、GammaやCanvaのデザイン力には届かない。

だが、Notionの戦略は「専門ツールに勝つ」ことではなく、「専門ツールに出て行く必要をなくす」ことだ。Notionに情報がある → Notionで見る → Notionで見せる。この流れが1つのツール内で完結するようになったことの価値は、既存Notionユーザーにとってはかなり高い。

懸念はプラン制限だ。ダッシュボードがBusiness以上、プレゼンがPlus以上。チームで使えば1人あたり月18ドル以上。新機能が来るたびに実質的な値上げとなる構造は、長期的に見ると厳しい。

Notion公式のPlusプランは月額10ドル/ユーザー、Businessプランは月額18ドル/ユーザー(いずれも年払い)。ダッシュボードを使いたいならBusiness、プレゼンだけならPlusから始められる。

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