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やりすぎるAIに「待って」と言えるようになった — Notion AI Plan Mode

Notion AIのエージェントに「Q2のコンテンツカレンダーを作って」と頼んだことがある人なら分かると思う。データベースが勝手に作られ、ページが量産され、気づいたら意図と違う構造ができあがっている。「そうじゃないんだけど」と思ったときには、もう20ページ分の修正が待っている。

5月7日にリリースされたPlan Modeは、この「暴走」を防ぐ仕組みだ。

動く前に、聞いてくる

Plan Modeが有効な状態でエージェントに複雑なタスクを依頼すると、まず3つのことが起きる。

エージェントが意図を確認する質問を投げてくる。場合によっては選択肢形式で「AとB、どちらの方向で進めますか?」と聞いてくる。次に、具体的な実行計画をページとして作成する。最後に、その計画への承認を待つ。承認するまで、実際のページやデータベースには一切手を付けない。

言葉にすると当たり前のことだが、Notion AIエージェントは最大20分間、数百ページにまたがる自律作業を実行できる。その前に「これから何をするか」を一度止まって説明してくれるだけで、失敗のコストが劇的に下がる。

誰に効くのか

正直、単発のテキスト要約やQ&Aでは恩恵を感じない。Plan Modeが真価を発揮するのは以下のような場面だ。

データベースの一括更新。数十件のプロパティを変更する前に「この条件でこの値に変えますよ」と見せてくれる。ページの大規模な書き換え。既存コンテンツを再構成する前に、新しい構造のドラフトを提示してくれる。プロジェクト全体のセットアップ。テンプレートを適用してタスクを振り分ける前に、割り当ての方針を確認してくれる。

つまり「取り消しが面倒な操作」の前に一拍置く。それだけだが、それが欲しかった。

管理者向けの制御も同時に整備された

Plan Modeと前後して、5月5日にはCustom Agentの管理者向け制御機能がリリースされている。

エージェントごとのクレジット上限を設定でき、上限に達するとエージェントは自動で一時停止する。利用ダッシュボードでは、どのエージェントがどれだけクレジットを消費しているかがリアルタイムで確認できる。異常に速いペースでクレジットを使い始めたエージェントは自動停止し、作成者に通知が飛ぶ。

ワークスペース全体のクレジット残量が80%と100%に達した時点でメール通知が届くため、予算超過に気づかないまま月が終わるリスクも下がった。Enterprise プランではワークスペースレベルの一括上限も設定可能だ。

料金の整理

Custom Agentsは5月4日にGAとなり、同時にクレジット課金が開始された。

  • Business/Enterprise: Notion AIの基本機能(Agent, AI Meeting Notes, AI検索)は月額$20/ユーザーに含まれる
  • Custom Agentクレジット: 1,000クレジットあたり$10(約1,500円)。ワークスペース内でプール、月次リセット、繰り越しなし
  • Free/Plus: AI応答は生涯20回まで。それ以上はBusinessプランへのアップグレードが必要

Custom Agentの消費量はタスクの複雑さに比例する。単純なQ&Aなら少量、MCPで外部ツールを呼び出す多段ワークフローはそれなりに消費する。

率直に言って、Free/Plusユーザーへの制限はかなり厳しい。20回で評価しろというのは無理がある。ただし既にBusinessプランにいるチームにとっては、追加コストなしで基本AI機能が使えるのは悪くない。

他のAIツールと何が違うか

「計画してから実行する」パターンは他のツールにもある。Claude CodeのPlan Mode、CursorのBuild in Parallel、GitHub CopilotのAgent Mode。だがNotionのPlan Modeが独特なのは、計画と実行の対象が「あなたの実際のワークスペース」であることだ。

ChatGPTにプランを立てさせても、実行は別の場所で手動でやる必要がある。Claude Codeは計画も実行もできるが、対象はコードベース。Notionは計画を立てて、承認を得て、そのまま同じ場所で数百ページに変更を加える。プランニングとエグゼキューションが同じ空間にある。

この「計画→承認→実行」が一つのツール内で完結する体験は、AIエージェントが実務に浸透するうえでの一つのスタンダードになりそうだ。

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