Figma AI画像生成 — もうMidjourneyを別タブで開かなくていい。デザインツール内で画像が作れる時代
デザイン作業中に「ここにイメージ画像がほしい」と思ったとき、あなたはどうしているだろうか。
Midjourneyのタブを開く。プロンプトを打つ。生成された画像をダウンロードする。Figmaに戻ってドラッグ&ドロップする。サイズを調整する。背景が邪魔なのでCanvaかPhotoshopで背景を消す。もう一度Figmaに貼り直す。
この往復が、なくなる。
FigmaがDesign、FigJam、Slides、Buzzの全プロダクトにAI画像生成・編集機能を本格展開した。テキストプロンプトからの画像生成、背景除去、画像拡張、低解像度画像の高画質化。デザインワークフローの中で、画像処理がすべて完結する。
主な新機能 — 4つのAI画像ツール
今回追加されたAI画像機能は大きく4つに分かれる。
Make an image(画像生成) — テキストプロンプトを入力するだけで、Figmaのキャンバス上に直接画像が生成される。「夕暮れの東京タワー、水彩画風」のような指示を書けば、数秒後にはキャンバスに画像が現れる。生成された画像はそのままデザインの中に組み込める。別ツールへの切り替えは不要だ。
Remove background(背景除去) — 選択した画像からワンクリックで背景を除去する。人物写真の切り抜き、プロダクト画像の背景透過。これまで外部ツールに頼っていた作業が、Figma内の操作一つで完了する。
Extend image(画像拡張) — 画像の境界を超えてAIが内容を拡張する。バナーデザインで「もう少し左側に余白がほしい」というとき、画像を引き伸ばすのではなくAIが自然な延長を生成する。トリミングで失った領域を取り戻すような使い方もできる。
AI高画質化 — 低解像度の画像をAIがアップスケールする。クライアントから「これしか素材がない」と渡された粗い画像。以前なら諦めるか、有料のアップスケーリングサービスを使うしかなかった。それがFigmaの中で解決する。
どのプロダクトで使えるのか
注目すべきは、これらの機能がFigmaの全プロダクトラインで横断的に使える点だ。
- Figma Design — UIデザインやWebデザインの制作中に、プレースホルダー画像をAI生成画像に差し替える。モックアップの説得力が一段上がる。
- FigJam — ブレインストーミングやワイヤーフレームの段階で、アイデアの視覚化にAI画像を使う。「こんなイメージ」を言葉ではなくビジュアルで共有できる。
- Figma Slides — プレゼン資料にAI生成画像を直接挿入。ストックフォトを検索する手間が省ける。
- Figma Buzz — SNS向けのマーケティング素材にAI画像を活用。キャンペーンビジュアルの量産が加速する。
FigJamでブレスト中に生成した画像を、そのままSlidesのプレゼンに持っていき、Buzzでソーシャル素材に展開する。プロダクト間の連携がスムーズなFigmaだからこそ成り立つワークフローだ。
料金プラン — Professionalプラン以上が必要
Figma AIの画像生成・編集機能は、Professionalプラン以上で利用可能だ。
| プラン | 月額(エディターあたり) | AI画像機能 |
|---|---|---|
| Starter(無料) | $0 | 利用不可 |
| Professional | $15(約2,250円) | 利用可能 |
| Organization | $45(約6,750円) | 利用可能 |
| Enterprise | $75(約11,250円) | 利用可能 |
すでにProfessionalプラン以上を契約しているユーザーにとっては、追加費用なしでAI画像生成ツールが手に入ることになる。外部の画像生成サービスに別途課金している場合、トータルコストが下がる可能性がある。
競合との比較 — Figmaの強みは「文脈」
AI画像生成ツールは群雄割拠の状態だ。Midjourney、DALL-E、Stable Diffusion、Adobe Firefly。画像の品質だけで見れば、専門ツールに分がある場面も多い。
では、Figmaの優位性はどこにあるのか。
ワークフローとの一体化だ。MidjourneyやDALL-Eは「画像を生成する」ことに特化している。生成した画像をデザインに組み込むには、ダウンロード→インポート→配置→調整という手順が必要になる。Figmaなら、キャンバス上で生成→そのまま配置→背景除去→サイズ調整が一連の流れで完結する。
チームコラボレーションもFigmaならではだ。生成した画像に対してチームメンバーがリアルタイムでフィードバックできる。「この画像のトーンをもう少し暖かくして」というやりとりが、Figmaのコメント機能で完結する。
デザインシステムとの整合性も見逃せない。Figmaのデザインシステム内で画像を生成・管理できるため、ブランドガイドラインに沿った画像運用がしやすい。
一方で、Midjourneyのような専用ツールは画像品質やスタイルの多様性で勝る。写真品質のリアルな画像や、特定のアート風を極めたい場合は、依然として専門ツールの出番だろう。Figmaの画像生成は「デザインワークフローの中で80点の画像を素早く作る」という位置づけだ。
考察 — 「Figmaの中で完結する」ことの本当の意味
Figmaが画像生成機能を内蔵した意味は、単に便利になったという話にとどまらない。
デザインツールが「画像も作れるプラットフォーム」に進化することで、デザイナーの作業動線が根本的に変わる。これまでのデザイン作業は「素材を集める→配置する→調整する」という3段階だった。素材集めの段階で外部ツールを行き来する時間が、実はデザイン作業の中でかなりの割合を占めていた。
それが「Figmaの中で考え、Figmaの中で作り、Figmaの中で仕上げる」というワンストップ体験に変わる。
非デザイナーのビジネスパーソンにとっても恩恵は大きい。プレゼン資料を作るとき、企画書にビジュアルを入れたいとき。Figma SlidesやFigJamの中でテキストを打つだけで画像が手に入る。画像生成AIに不慣れな人でも、普段使っているツールの延長で自然にAI画像を活用できるようになる。
ただし、懸念もある。Figma内で生成された画像の著作権や利用規約がどうなるのか。商用利用の範囲はどこまでか。クライアントワークで使った場合のライセンスは。この辺りの法的整理は、利用が広がるにつれて重要性を増すだろう。
また、画像生成AIの品質は日進月歩で向上している。Figmaが内蔵するモデルが最新の専門ツールと比べてどの程度の品質を維持できるか。継続的なアップデートが求められる。
まとめ
FigmaのAI画像生成・編集機能は、「デザインツールの中で画像処理が完結する」という新しい体験を提供する。Make an image、Remove background、Extend image、AI高画質化の4機能が、Figmaの全プロダクトで横断的に使える。
革命的な画像品質を約束するものではない。だが、ツール間の往復を削り、デザインの文脈の中で画像を扱えるという点で、日常のデザインワークフローを確実に変える機能だ。
Professionalプラン以上のユーザーなら追加費用なしで使える。まだ試していないなら、次にFigmaを開いたとき、キャンバス上で「Make an image」を試してみてほしい。別タブのMidjourneyに手を伸ばす回数が、確実に減るはずだ。
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