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Copilot Coworkがスマホに来た — メールも会議設定も「移動中に頼んで帰ったら終わってる」時代

通勤電車の中で「明日の会議資料をまとめておいて」とスマホに頼む。オフィスに着いたらWordの下書きとPowerPointのスライドが出来上がっている。

そんな働き方が、もう始まっている。

Copilot Cowork

MicrosoftはCopilot Coworkの5月アップデートで、iOS/Androidへの対応、再利用可能なSkills機能、サードパーティPluginsの3つを追加した。チャットで質問に答えるだけだったCopilotが、「頼んだ仕事を勝手にやっておく」エージェントへと進化した格好だ。

チャットから実行へ — Coworkは何をするのか

従来のCopilotは「質問すると答える」ツールだった。Coworkは違う。メールの送信、会議のスケジュール設定、Word・Excel・PowerPointのドキュメント作成を、ユーザーの代わりに実行する。

重要なのは、Coworkが自分で判断してアクションを起こすのではなく、「重要なアクション(メール送信や会議設定など)の前に必ず確認を求める」点だ。完全自律ではなく、人間の承認を挟む設計になっている。ここはAnthropicのClaude技術がベースにあることを考えると納得できる。

Skills — 「毎回同じ説明をする」苦痛からの解放

Skillsは再利用可能な指示セットだ。たとえば「週次レポートの作成」というSkillを一度作っておけば、毎回「先週のデータをまとめて、このフォーマットで、このフォルダに保存して」と説明しなくていい。Skillを呼び出すだけで済む。

Microsoftは会議調整・リサーチ・ドキュメント作成など汎用的なビルトインSkillsも用意しているが、本当の価値はカスタムSkillsにある。自社独自の業務フローをSkillに落とし込めば、新入社員でもベテランと同じ品質のアウトプットを出せる可能性がある。

Plugins — HubSpot、Miro、monday.comがつながる

Coworkの守備範囲はMicrosoft 365だけではない。サードパーティPluginsで外部サービスとも連携する。

現時点で使えるのはHubSpot、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)、Miro、monday.com、S&P Global Energy。さらにMicrosoft自身のFabric IQ(Power BI連携)やDynamics 365(営業・カスタマーサービス・ERP)ともつながる。

素直にすごいのは、これらのデータソースをCoworkが横断できること。HubSpotの商談データとExcelの売上実績を突き合わせて分析レポートを作る、といった作業が一つの指示で済む。

モバイル対応 — 「あとはよろしく」の実用性

iOS/Android対応は地味に見えるが、実はCoworkの使い方を根本的に変える。

デスクに向かって作業を依頼し、完了を待つ必要がなくなる。移動中にスマホで指示を出し、PCに戻ったときには結果が待っている。Coworkの処理はクラウドで実行されるため、端末のスペックは関係ない。

ただし現時点の制限として、CoworkはFrontier program(早期アクセスプログラム)への登録が必要だ。Microsoft 365 Copilotライセンスを持っている組織が対象で、個人での利用はできない。

気になる点

率直に言って、いくつか不透明な部分がある。

まず料金。Copilot Cowork自体の追加料金は明示されていない。Microsoft 365 Copilot(月$30/ユーザー)のライセンスがあればFrontier programに申し込めるが、Coworkの利用にクレジット制限があるのか、Plugins利用に追加課金があるのかは不明だ。

次にPlugin数。現時点で5社ほどのサードパーティ連携は、正直まだ少ない。Salesforce、Asana、Slackあたりが揃わないと、多くの企業にとっては「繋がってほしいところに繋がらない」状態が続くだろう。

そしてFrontier限定という制約。GA(一般提供)の時期は明言されていない。試したくても試せない企業が大半というのが現状だ。

Copilotは「使うもの」から「任せるもの」へ

Coworkの方向性は明確で、Copilotを「チャットで聞くAI」から「仕事を委任するエージェント」に変えようとしている。Skills + Plugins + モバイルの三点セットは、その構想に必要なパーツがようやく揃ったことを意味する。

Perplexity ComputerがM365のサイドパネルに入り込んだのと合わせて見ると、Microsoftの業務ツールを「誰のAIが動かすか」という競争が本格化している。MicrosoftはCoworkで自前のエージェントを育てつつ、Perplexityのような外部プレイヤーもアドインとして受け入れる。どちらが実務で選ばれるかは、結局のところ「使ってみてどちらが便利か」で決まる。

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