AIエージェントに「同じ注意」を何度していますか — 修正指示を自動でルール化するBlume.codes
Claude CodeやCursorを使い込むほど、同じ小言を何度も打っている自分に気づく。「日本語でコミットメッセージを書いて」「テストを先に走らせて」「そのライブラリはもう使ってない」——毎回言うのが面倒だからCLAUDE.mdやルールファイルに書いておくのだが、その手入れ自体がまた面倒だ。
その「面倒」を肩代わりするツールが、9月3日にProduct Huntでローンチした。Blume.codesという。
セッションを見て、勝手にルールとスキルを育てる
Blumeはエージェントの隣に常駐するデスクトップアプリだ。Claude Code、Codex、Cursorのセッションをローカルで監視し、あなたがエージェントに送る修正・指摘・時には大文字で叩きつける苛立ちのメッセージを拾って、テーマごとにまとめていく。
同じ種類の指摘が一定回数を超えたり、痛みの閾値に達したりすると、具体的な設定変更を提案してくる。古くなったルールの更新、hookやスキルのパッチ、あるいは新規ルール・スキルの作成まで。繰り返される修正指示は「ルール」に、定型のワークフローは「スキル」に変換される、という設計だ。
ポイントは、一度の指摘では動かないこと。証拠が繰り返し積み上がったときだけ提案する。単発の気まぐれをルール化してしまうと、かえってエージェントの動きを縛る。そこを閾値で切っているのは、地味だが正しい判断だと思う。
プライバシーは「自分のCLIを使う」で解決
気になるのは、会話を全部見られることへの不安だろう。ここがBlumeの巧いところで、分析はあなた自身のエージェントCLI(Claude CodeやCodex、Cursor)を経由して行われる。つまり手元の契約プランの枠を使って処理され、会話やコードがBlumeや第三者のサーバーに上がることはない、と明言されている。
料金は無料。macOS、Linux、Windowsに対応する。監視ツールでありながらクラウドに何も送らない構成は、業務コードを扱う開発者には安心材料だ。
これが揃うと何が変わるか
面白いのは、BlumeがCLAUDE.mdやルールだけでなく、スキルやhookといった「エージェントの挙動を静かに左右する隠れファイル」まで追う点だ。
もしチーム全体でBlumeを回せば、各人がバラバラに溜め込んでいた暗黙のノウハウが、共有可能なルール・スキルとして形になる可能性がある。「なぜかあの人のエージェントは賢い」の正体が、可視化されたルールセットとして引き継げるわけだ。オンボーディングのコストが一気に下がるかもしれない。
正直な評価
素直に「欲しかった」と思える切り口だ。ルールやスキルの手入れは、やるべきと分かっていても後回しになる典型的な作業で、そこを自動化する発想は的を射ている。
一方で、生まれたばかりのプロダクトである点は割り引くべきだ。提案されたルールが本当に的確かはエージェントの解釈品質に依存するし、ノイズの多い提案が続けば結局レビューの手間が増える。自分のセッションを常時監視されること自体に抵抗を感じる人もいるだろう。ローカル完結とはいえ、そこは好みが割れる。
そして、あくまでClaude CodeやCursorをすでに日常的に使い、ルール管理に消耗している層向けのニッチなツールだ。まだエージェントに慣れていない人がいきなり入れても、監視するほどのセッションが溜まらない。刺さる人には深く刺さるが、万人向けではない。
まずは無料で試せるので、「同じ注意を毎回している」自覚がある人は、一度セッションを預けてみる価値はある。
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