FlowTune Media

Framer・Wix・Squarespace — 同じ指示でAIにサイトを作らせたら、結果がまるで違った(2026年版比較)

「カフェのWebサイトを作って。メニュー表とアクセスマップ付きで」

2026年、この一言でWebサイトが完成するAIウェブサイトビルダーが出揃った。Framer 3.0Wix HarmonySquarespace。どれも「AIに任せればサイトが作れる」と謳っているが、同じ指示を出しても出てくるサイトはまるで違う。

結論から言うと、デザインの自由度を重視するならFramer、ビジネス機能を全部入りで欲しいならWix、デザインセンスに自信がなくても洗練されたサイトが欲しいならSquarespaceだ。

  • Framer — デザイナー向け。AIエージェントがキャンバス上でサイトを組み立てる
  • Wix — ビジネス向け。ECも予約もAIが自動で組み込む
  • Squarespace — 見た目重視。14億通りの組み合わせからAIが最適構成を選ぶ

※筆者が3サービスを実際に触り、同条件で比較した結果をまとめている。価格は2026年6月25日時点の公式サイト情報。

3サービス比較表

項目 Framer 3.0 Wix Harmony Squarespace
月額(年払い) 無料〜$100(約1.5万円) 無料〜$159(約2.4万円) $16〜$99(約2,400〜1.5万円)
最安有料プラン $10/月 Basic $17/月 Light $16/月 Basic
AI中核機能 AIエージェント(キャンバス上で直接編集)、Workshop、MCP連携 Aria(自然言語でサイト構築+アプリ自動インストール) Blueprint AI(14億通りの組み合わせから最適構成を選定)
日本語AI生成 △(エディタは日本語、AI生成は英語中心) ○(AI生成も日本語対応) △(エディタ英語のみ、テンプレートは多言語可)
EC機能 なし(外部連携が必要) 全プランで利用可(最大5万商品) Core以上で対応(Basic取引手数料2%)
無料プラン あり(500 AIクレジット/日) あり(Wix広告付き) なし(14日間トライアル)
おすすめな人 デザイナー、LP制作、ポートフォリオ 中小企業、ECショップ、実店舗 カフェ、写真家、クリエイター

Framer 3.0を無料で試す / Wixで無料サイトを作る / Squarespaceを14日間試す

Framer 3.0 — AIがキャンバスの上でデザインする

6月にリリースされたFramer 3.0は、AIウェブサイトビルダーの中で最も「デザイナー寄り」のツールだ。

最大の特徴はAIエージェントがデザインキャンバス上で直接作業すること。「ヒーローセクションを追加して、背景をグラデーションに」と指示すれば、AIがリアルタイムでレイアウトを組み上げる。LovableやBoltのようなコード生成型とは根本的に違い、出力されるのはコードではなくビジュアルデザインそのもの。ドラッグ&ドロップで微調整できるので、コードを読めない人でも結果をコントロールしやすい。

Branching機能はGitのブランチと同じ発想で、プロジェクトの隔離コピーを作れる。AIに自由にデザインさせて、問題なければ本番にマージ。クライアントワークでサイトを運用しているフリーランスには、この「AIの暴走を防ぐ仕組み」が心強い。

External Agents機能でClaude CodeなどのLLMをFramer CLIから接続でき、Framerの AIクレジットを消費せずに外部AIでサイトを操作できるのも独自の強みだ。

率直に言うと、日本語サイトの生成品質はまだ発展途上。 AI生成のコピーは英語が中心で、日本語サイトを作るならテキストの手動修正がかなり必要になる。ただしデザインの自由度は3サービスの中で群を抜いている。マーケティングサイトやポートフォリオなど、見た目の作り込みが重要な案件ではFramerの一択だろう。

良い点: デザイン自由度が圧倒的。Branching・MCP連携など開発者向け機能も充実。毎日500クレジット無料。

微妙な点: EC機能がない。日本語AI生成の品質が不十分。エディタ席の追加が$20/月と高い。

Wix Harmony — 全部入りのAIビジネスサイト

Wixが2026年1月に発表したHarmonyは、「サイトを作りたいけど何から始めればいいかわからない」人のためのAI環境だ。

中核となるAIエージェント「Aria」に自然言語で指示すると、レイアウトやコピーの生成だけでなく、必要なアプリのインストールまで自動で行う。「レストランのサイトを作って」と言えば、メニューページを生成するだけでなく、Wix Restaurants Menusアプリまで勝手にインストールしてくれる。この「意図を読んでアプリまで入れる」動きは、正直ほかの2サービスにはない強みだ。

AI機能はすべてのプランで追加料金なし。インラインのAIテキストツールでは、テキストを選択して「改善」「簡潔に」「短くして」とワンクリックで書き直せる。日本語でのAI生成にも対応しているため、日本語サイトをAIで作るならWixが最もスムーズ。

ただし最安のLightプランが月$17と、FramerやSquarespaceより若干高い。上位のBusiness Eliteは月$159と、本格EC向けの価格帯に入る。

多くの比較記事はWixを「初心者に最適」と推しているが、筆者はやや違う見方をしている。 Harmonyの自由度の高さは、裏を返せば選択肢が多すぎるということだ。テンプレートから外れた修正をすればするほど、デザインの一貫性が崩れやすくなる。デザインに自信がない人にはむしろSquarespaceの方が「崩れないサイト」を作りやすい場面がある。

Wixの真の強みはビジネス機能の網羅性だ。EC、予約システム、メール配信、SEOツール、CRM。これらが1つのプラットフォームに統合されている。個人のポートフォリオではなく、ビジネスとしてサイトを運営するならWixの全部入りは唯一無二の価値がある。

良い点: ビジネスツール統合がダントツ。日本語AI生成対応。全プランでAI機能追加料金なし。

微妙な点: プランが多くて迷いやすい。デザインの一貫性維持が難しい。初年度以降ドメイン更新費$14.95/年が別途必要。

Squarespace — デザインセンス不要で「それっぽい」サイト

Squarespaceは3サービスの中で最も「失敗しにくい」選択肢だ。

Blueprint AIは14億通り以上のデザイン組み合わせから、ユーザーの回答に基づいて最適な構成を選び出す。Framerのように白紙のキャンバスから自由に作るのではなく、AIが用意した選択肢の中から選んでいく方式。自由度は低いが、そのぶん「ダサいサイトができてしまう」リスクが圧倒的に少ない。Time誌の「2025年ベスト発明」にも選ばれた実績がある。

Design Intelligenceスイートでは、コピー生成、SEOディスクリプション、画像のalt text、メールマーケティングテンプレートまでAIがカバーする。テンプレートのデザイン品質は3サービスの中で最も洗練されている。カフェ、写真家、アーティストなど、ビジュアルが命のサイトには抜群にフィットする。

料金は月$16(Basic)から$99(Advanced)まで。注意すべきはBasicプランのコマースの取引手数料が2%、デジタル商品は7%かかる点。ECを本格的にやるならCore($23/月)以上が現実的だ。

最大の弱点はエディタが英語のみという点。 日本語のサイト自体は作れるが、管理画面がすべて英語になる。英語に抵抗がない人なら問題ないが、そうでなければWixの方が安心だろう。ただし最初の印象と裏腹に、テンプレートの制約のおかげで誰が作っても「プロっぽい」サイトになるのがSquarespaceの隠れた強みだ。

良い点: テンプレート品質が最高。デザインの失敗リスクが低い。料金体系がシンプル。

微妙な点: エディタが英語のみ。カスタマイズの自由度は3社中最低。無料プランがない。

用途別おすすめ

デザインの作り込みが最重要なら → Framer 3.0 キャンバス上でAIと協働しながら、ピクセル単位で仕上がりをコントロールできる。LP制作やブランドサイトで真価を発揮する。

サイト+ビジネス基盤を一括で欲しいなら → Wix EC、予約、CRM、メール配信まで1つのプラットフォームで完結する。実店舗を持つ中小企業に向いている。

迷ったらSquarespace 選択肢が絞られている分、デザインの失敗が起きにくい。英語UIさえ許容できれば、最も確実に「見栄えのいいサイト」が手に入る。

なお、「コードも生成してほしい」「Webアプリを作りたい」という場合は、この3つではなくLovable・Bolt・v0のようなAIアプリビルダーが適している。「サイトを作る」と「アプリを作る」は、同じAIビルダーでもまるで別の世界だ。


関連記事: AIがキャンバス上でWebサイトを組み立てる — Framer 3.0と500クレジットの無料枠

関連記事: Lovable vs Bolt.new — 月額は同じ$25なのに、中身が全然違った

関連記事