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Lovable vs Bolt.new — 月額は同じ$25なのに、中身が全然違った

「AIでアプリを作りたい」と思ったとき、最初に名前が出てくるのがこの2つだ。LovableBolt.new。どちらもAIにプロンプトを渡すとWebアプリが出てくる。どちらもProプランは月額$25(約3,750円)。

Lovable vs Bolt.new

だが、使ってみると中身はかなり違う。課金の仕組みも、触ったときの感触も、出てくるアプリの性格も。この記事では、2026年4月時点の両ツールを正面から比べる。

料金は同じ$25。でも「何に課金されるか」が違う

まず最初に知っておくべきなのは、$25という価格は同じでも、課金モデルが根本的に異なるということだ。

Lovable はクレジット制。Proプランで月100クレジット+毎日5クレジット(最大150)。1回のメッセージが0.5〜1.5クレジットで、シンプルな変更なら0.5、複雑な指示なら1.5。プロジェクトがどれだけ大きくなっても、メッセージあたりのコストは変わらない。

Bolt.new はトークン制。Proプランで月1,000万トークン。ここが曲者で、Boltはメッセージのたびにプロジェクト全体のファイルをAIに同期する。つまりプロジェクトが大きくなるほど、1回のやりとりで消費するトークンが増える。序盤は快適に使えても、ファイルが増えるにつれて残トークンの減りが急加速する。

この違いは実際に使うと体感が大きい。Lovableはプロジェクト後半でもペースが変わらないが、Boltは後半になると「あと何回やりとりできるか」を気にし始める。大きめのアプリを1つ作り込むなら、Lovableの方がコスト予測がしやすい。

一方で、小さなプロトタイプを量産するスタイルならBoltの1,000万トークンは十分だし、トークンが余った場合のロールオーバー(翌月繰越)もある。使い方によって有利不利が変わる。

操作感 — チャットで作るか、IDEで作るか

Lovableを開くと、まず目に入るのはチャット画面だ。プロンプトを打つとAIがプランを立て、コードを生成し、右側にプレビューが表示される。ファイルツリーもターミナルもデフォルトでは見えない。「AIに任せて結果を確認する」という体験に最適化されている。

Bolt.newを開くと、そこにはVS Codeに近いインターフェースがある。ファイルツリー、コードエディタ、ターミナルが並び、AIの出力をコードレベルで確認・編集できる。AIが書いたコードをその場で手直しする「ペアプログラミング」的な使い方が自然にできる。

正直に言うと、この違いがすべてを決めると思っている。

コードを書けない人、あるいは書きたくない人にとっては、Lovableの方が圧倒的に快適だ。AIがインフラの判断まで代行してくれるので、データベースの設定やデプロイの手順を意識する必要がない。

逆にコードを書ける人にとっては、Lovableのチャットオンリーの体験がもどかしく感じるだろう。「ここだけ直接書き換えたい」という瞬間に、AIを経由しなければならないのはストレスになる。Boltならエディタ上でさっと直せる。

バックエンド — Supabase統合 vs Bolt Cloud

バックエンドの扱いにも明確な差がある。

Lovableは2025年からSupabaseと深く統合してきた。認証、データベース、ストレージがワンクリックでセットアップされ、AIがスキーマ設計からRow Level Security(行レベルのアクセス制御)まで面倒を見る。Supabaseを知らなくても、AIが適切な設定を作ってくれる。フルスタックアプリを作るまでの障壁が極めて低い。

Bolt.newは2026年に入ってBolt Cloudを投入し、ようやくバックエンド統合を強化した。データベース、認証、ストレージ、ホスティングをBolt内で完結させられるようになった。以前は「フロントエンドしか作れない」という評価だったが、Bolt Cloudでその弱点はだいぶ埋まった。ただ、Supabase統合の成熟度ではまだLovableに分がある。

出力品質 — 見た目の完成度 vs 生成速度

ここが両者の性格が最も出る部分だ。

Lovableが生成するアプリは、見た目の完成度が高い。スペーシング、タイポグラフィ、コンポーネントの選び方にセンスがある。「そのまま人に見せられる」レベルのUIが出てくる。初回の出力で「お、いいじゃん」と思える確率が高い。

Boltは速さに振っている。差分更新(diffs)の仕組みによって、変更箇所だけを更新するため、レスポンスが速い。見た目のポリッシュはLovableに劣るが、「まず動くものを出して、それから直す」というラピッドプロトタイピングのサイクルはBoltの方が回しやすい。

チームで使うなら、差はさらに開く

もう1つ見落とせないのが、チーム利用時の料金差だ。

Lovableは$25/月でユーザー数無制限。5人のチームでも10人でも同じ料金。Boltは$30/メンバー/月。5人チームなら月額$150になる。

スタートアップの初期チームがバイブコーディングで素早くMVPを作るケースでは、この差は無視できない。Lovableの方がチームスケールのコストパフォーマンスは明らかに良い。

Lovable Pro Bolt.new Pro
月額 $25 $25
課金方式 クレジット制(100+α/月) トークン制(1,000万/月)
チーム ユーザー無制限 $30/メンバー/月
バックエンド Supabase深度統合 Bolt Cloud(2026年〜)
UI完成度 高い(そのまま見せられる) 中程度(手直し前提)
生成速度 標準 速い(差分更新)
ファイル直接編集 限定的 フル対応
AIモデル選択 Claude Sonnet固定 複数モデルから選択可

結局、どっちを選ぶべきか

筆者の結論はシンプルだ。

Lovable: コードを書かない人、チームで使う人、見た目の完成度を重視する人。「アイデアをアプリにする」体験として、現時点で最も洗練されている。

Bolt.new: コードが書ける人、ソロで使う人、速さと柔軟性を重視する人。AIが生成したコードを自分の手で仕上げたいなら、こちらの方が自然に使える。

どちらも月額$25から始められる。迷っているなら、まずは無料プランで1つアプリを作ってみるのが一番早い。操作して30分もすれば、自分がどちら側の人間かはっきりする。

バイブコーディングの2強が$25という同じ価格で全く違うアプローチを取っているのは、この市場がまだ「正解」を探っている証拠でもある。どちらが生き残るかではなく、どちらが自分に合うか。それが今の正しい問いだ。

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