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AIボーカル抽出・音源分離ツール徹底比較【2026年最新】StemDeck・Demucs・Moises・LALAL.AI、無料でどこまでやれるか

AIボーカル抽出・音源分離ツール比較

曲からボーカルだけ抜いてカラオケ音源を作りたい。ドラムを消してベースの練習に使いたい。既存曲のコード進行を耳コピしたい——こういう「曲を楽器ごとにバラす」需要は、AIの音源分離(ステム分離)でかなりきれいに叶うようになった。

ただ、ツールを調べ始めるとすぐ迷う。無料なのか課金制なのか、自分の音源をサーバーにアップロードするのか手元で処理するのか、品質はどこまで違うのか。しかも比較記事の多くは販売元が書いたもので、どうしても自社ツール寄りの評価になっている。

そこでこの記事では、性格のまったく違う4つ——StemDeck(無料・ローカル)、Demucs(無料・オープンソース)、Moises(練習機能つきアプリ)、LALAL.AI(高品質クラウド)——を、同じ曲(J-POPのフルコーラス1曲とバンド系の2曲)で実際に分離させて比べた。約2週間、カラオケ音源づくりと耳コピの両方で使い込んだ上での結論を、最初に書いておく。

結論(忙しい人向け):

  • 趣味でカラオケ音源や耳コピをしたい・曲数が多い人 → 無料でローカル完結の StemDeck が第一候補。PCに入れるだけで曲数制限なし。
  • 練習そのものを助けてほしい(テンポ変更・コード表示・スマホで完結) → Moises の有料プランに課金する価値がある。
  • 数は少ないがとにかく高品質に・多彩なステムで分けたい(制作用途) → LALAL.AI。
  • 技術に抵抗がなく、完全無料で最高品質を狙う → Demucs。StemDeckの“中身”でもある本家。

この記事の価格は2026年10月13日時点に調べたもので、各ツールとも変更が多い。最終的な金額は必ず公式サイトで確認してほしい。

4ツール比較表

ツール 料金(目安) 処理場所 対応ステム 無料でできること こんな人におすすめ
StemDeck 完全無料(OSS) ローカル(PC内) 最大6(ボーカル/ドラム/ベース/他) すべて無料・曲数無制限 曲数が多い個人・プライバシー重視
Demucs 完全無料(OSS) ローカル(CLI/Python) 4(ボーカル/ドラム/ベース/その他) すべて無料・最高品質 技術者・大量バッチ処理
Moises 無料〜 / Premium 約¥1,180($5.99)/月前後 クラウド(アップロード) 2・4・5ステム 月5曲・1曲5分まで 練習支援が欲しい・スマホ派
LALAL.AI 無料は10秒プレビューのみ / 有料は分数課金(Lite 約$9.99〜、買い切り約$100) クラウド(アップロード) 多彩(ボーカル/伴奏/ドラム/ベース/ピアノ/ギター/シンセ 等) 10秒試聴のみ 高品質・多ステムをたまに使う制作者

※価格は2026年10月13日時点の各種情報をもとにした目安。為替・プラン改定で変動するため、申し込み前に公式サイトで確認してください。無料枠の内容も頻繁に変わります。

音源をどこかにアップロードするかどうか、という列をあえて作った。未発表のデモやレコーディング素材を扱う人にとって、ここはかなり重い判断材料になるからだ。アップロードが前提のMoises・LALAL.AIに対し、StemDeck・Demucsは曲が自分のPCから一切出ない。

まずは無料で試せる StemDeck をダウンロードして、自分の曲で分離品質を体感してみるのが手っ取り早い。→ StemDeckの詳しい使い方はこちら

StemDeck — 無料・ローカルの第一候補

StemDeckは、曲を最大6トラックに分離してくれる無料のオープンソースツールだ。最大の特徴は、処理が全部あなたのPCの中で完結すること。アカウント登録もアップロードも要らず、曲数の制限もない。

実際に使ってみると、カラオケ音源づくりや耳コピ目的なら品質に不満はほとんどなかった。ボーカルの抜き具合は、サビの厚いコーラスで多少の“残り”が出る程度で、個人利用には十分すぎる。何より、何十曲処理してもタダというのは精神的に軽い。クラウド系だと「あと◯分」を気にしながら使うことになるが、その感覚がない。

弱点は、処理速度がPCのスペックに引っ張られること。非力なノートPCだと1曲に数分かかる。GPUがあれば快適だが、ない環境では待たされる。あと、GUIはシンプルで必要十分だが、Moisesのような“練習を助ける”機能(テンポ変更、ループ再生、コード表示)は持っていない。あくまで「分離専用」のツールだ。

向いている人: カラオケ・耳コピ目的で曲数が多い人、未発表音源を外に出したくない人。

Demucs — 技術者向けの最強無料エンジン

Demucsは、Metaが公開している音源分離のオープンソースモデルだ。実はStemDeckをはじめ、多くの無料ツールの“中身”はこのDemucs系の技術に支えられている。本家を直接使えば、現状でもトップクラスの分離品質が完全無料で手に入る。

ただし、Demucsはコマンドライン(またはPython)で動かすのが基本で、インストールにはそれなりの知識がいる。筆者も最初、環境構築でライブラリの依存関係につまずき、小一時間溶かした。「無料で最高品質」という響きは魅力的だが、GUIが欲しい人や非エンジニアには正直ハードルが高い。その人たちの受け皿が、まさにStemDeckのようなラッパーなのだ。

逆に、何十曲・何百曲をまとめてバッチ処理したい、分離パラメータを細かくいじりたい、という人にはDemucsが圧倒的に強い。スクリプトを書けば全自動で回せる。

向いている人: コマンドライン操作に抵抗がない人、大量処理や細かい調整をしたい人。

Moises — 「分離」より「練習」を助けてくれる

Moisesは、スマホアプリとWebで使えるフリーミアム型のツール。音源分離だけを見れば他と大差ないが、Moisesの本当の価値は練習支援機能にある。分離したトラックごとに音量を調整し、テンポを落とし、キーを変え、コードを自動表示し、メトロノームに合わせて反復練習できる。楽器を練習する人にとっては、これがかなり効く。

無料プランは月5曲・1曲5分までと制限があり、本気で使うなら有料(Premiumが月$5.99前後、日本円で約¥1,180/月・年額約¥11,800という情報)に乗る形になる。ここが悩みどころで、「ただ分離したいだけ」ならこの月額は割高に感じる。StemDeckで無料で済む作業だからだ。

だが、「毎日ギターやドラムを練習する」人なら話は別。テンポを落として弾いて、コード表示を見ながら合わせて……という一連の流れがアプリ1つで完結するのは、分離ツールというより練習パートナーに近い。筆者はベースの耳コピで数週間使ったが、分離目的というより“練習アプリとして”手放せなくなった。

向いている人: 楽器練習が主目的の人、スマホで完結させたい人。

LALAL.AI — 高品質・多ステムのクラウド

LALAL.AIは、ブラウザに曲をアップロードして分離するクラウドサービス。ボーカル/伴奏の2分割だけでなく、ドラム・ベース・ピアノ・ギター・シンセなど多彩なステムに分けられるのが強みだ。分離のクリーンさも高く、「ボーカルの輪郭がはっきり残る」「伴奏に声の残響が混じりにくい」という点では、今回の4つの中でも印象が良かった。

料金はクレジット(処理できる分数)を買う方式。無料は10秒プレビューのみで、実質的には品質を確かめるための試用だ。使うなら有料パッケージ(月額制のほか、分数を買い切るプランもある)になる。ここで注意したいのは、曲数が増えると分数課金が地味にかさむこと。筆者は最初このクリーンさに惚れて使っていたが、カラオケ音源を量産しはじめたら「あと何分」が気になりだし、結局ローカルのStemDeck/Demucsに主戦場を戻した。

裏を返せば、「月に数曲、でも仕事で使うから品質は妥協できない」という制作寄りの用途には、LALAL.AIの買い切りパッケージがハマる。多ステムに細かく分けたい要望にも応えてくれる。

向いている人: 制作用途で高品質・多ステムが必要、かつ処理する曲数は多くない人。

品質とスピードの、実際の差

同じJ-POP1曲(ボーカルが厚めでコーラスも多い曲)を4つに通して、気づいた差をまとめておく。カタログスペックでは見えない部分だ。

ボーカルのクリーンさは、LALAL.AI > Demucs ≒ StemDeck > Moises、という体感だった。LALAL.AIはサビの分厚いコーラスでも伴奏への“にじみ”が少なく、抜いたボーカルトラックがそのまま素材として使えるレベル。DemucsとStemDeckはほぼ互角(中身が近いので当然だが)で、個人利用なら全く問題ない品質。Moisesは練習用途なら十分だが、素材として切り出す用途ではやや伴奏が残る印象だった。

ただし、この差は用途次第で意味が変わる。カラオケ音源や耳コピなら、StemDeck/Demucsの品質で誰も困らない。LALAL.AIのクリーンさが効いてくるのは、抜いたステムをさらに編集・リミックスして作品にするときだ。つまり「どこまでの品質が必要か」を先に決めないと、オーバースペックに課金してしまう。

処理スピードは、クラウド系(Moises/LALAL.AI)が安定して速い。サーバー側で処理するので、手元のPCが非力でも一定時間で返ってくる。一方ローカル系は、GPU搭載機なら数十秒、CPUのみのノートPCだと1曲数分と、環境差が大きい。「古いPCしかない」という人は、むしろクラウドの無料枠(Moisesの月5曲)から試す方がストレスが少ないかもしれない。

曲数が増えたときのコスト感は、ここまで何度も書いたとおり決定的だ。10曲、20曲と処理していくと、ローカル無料勢(StemDeck/Demucs)の「タダで回し放題」が効いてくる。逆にLALAL.AIの分数課金は、曲数が多いと一気に重くなる。最初に「月に何曲くらい処理するか」を見積もっておくと、選択を誤りにくい。

用途別・結論

多くの比較記事は、機能が派手なクラウド系(MoisesやLALAL.AI)を上位に推しがちだ。だが筆者の結論は少し違う。趣味でカラオケや耳コピをする大多数の人にとっては、無料でローカル完結のStemDeck(またはDemucs)で十分で、わざわざ月額を払う理由は薄い。課金が効いてくるのは「練習支援が欲しい(Moises)」「制作で高品質・多ステムが要る(LALAL.AI)」という、目的がはっきりした場合だ。

  • カラオケ音源・耳コピ中心/曲数が多い → StemDeck(無料・ローカル)
  • 楽器の練習が主目的/スマホで完結 → Moises(有料の価値あり)
  • たまに高品質・多ステムで分けたい(制作) → LALAL.AI(買い切り)
  • 技術者・大量処理・完全無料で最高品質 → Demucs

迷ったら、まず無料のStemDeckを入れて自分の曲で品質を確かめ、それでも物足りない部分(練習機能・多ステム・さらなるクリーンさ)が出てきたときに、Moisesの無料枠やLALAL.AIの10秒プレビューを試す——という順番が、お金をムダにしない。

なお、どのツールを使うにせよ、分離した音源を公開・配布する場合は原曲の著作権に注意してほしい。個人練習の範囲を超える使い方は、権利処理が必要になる。

音楽系のAIツールをもっと広く見たい人は、AI音楽ツールの横断比較もあわせてどうぞ。曲そのものをAIで作る話に興味があれば、SunoとUdioの比較も参考になる。

この記事は実際に各ツールを使った上で比較しています。料金・無料枠は改定が多いため、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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