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AIノートアプリ比較 — Notion AI・Obsidian・NotebookLM・Mem、「全部入り」は存在しない【2026年版】

AIノートアプリ比較 2026

「ノートアプリにAIが入った」と聞いて片っ端から試した結果、3ヶ月で使い分けに落ち着いた。

Notion AIに課金し、Obsidianのプラグインを漁り、NotebookLMにPDFを投げ込み、Memに雑メモを突っ込んだ。分かったのは、「AIノートアプリ」というカテゴリで1つのツールに全てを任せるのは無理だということだ。ノートアプリに求める機能は「書く」「整理する」「学ぶ」「調べる」の4つに大別できる。そして今回比較した4ツールは、それぞれ異なる軸で飛び抜けている。

先に結論を書く。 チームのドキュメント基盤ならNotion AI。個人で知識を蓄積するならObsidian。論文や資料から学ぶならNotebookLM。メモの整理に時間を使いたくないならMem

4ツール比較表

筆者が各ツールを2週間ずつ使い、同じタスク(議事録作成、リサーチ整理、日常メモ)で比較した。

Notion AI Obsidian NotebookLM Mem
月額 無料〜$20/ユーザー 無料(AI: $14.99/月) 無料〜$200/月 無料〜$14.99/月
AIモデル 独自統合 プラグイン依存 Gemini 3.5 独自
データ保存 クラウド ローカル(Markdown) クラウド(Google) クラウド
チーム利用 ×
書く
整理する
学ぶ
調べる
おすすめな人 チームの情報基盤を作りたい人 自分だけの知識体系を育てたい人 大量の文献から効率よく学びたい人 メモの整理に時間を使いたくない人

※価格は2026年7月4日時点の公式サイト情報

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Notion AI — チームの「共有脳」になるツール

2026年7月のNotion 3.6で、AI機能がさらに進化した。Ask Notionでワークスペース全体を横断検索でき、Custom Agentsで定型業務の自動化もできる。「議事録を要約して」「この企画書のポイントを3つ出して」「先週の進捗を一覧にして」——こうした日常業務の大半を、Notion AIひとつでカバーできるようになった。

最大の強みは、データベースとの統合だ。タスク管理、Wiki、ドキュメント、スプレッドシート的な表がすべて同じ空間にあり、AIがそれらを横断して回答できる。プロジェクト管理とドキュメント管理をAIで橋渡しできるのは、他のツールにはない価値だ。Custom Agentsの登場で、「毎週月曜に先週のタスク進捗をまとめてSlackに投稿する」といった定型業務まで自動化できるようになった。

弱点は個人利用でのコスパ。ビジネスプラン($20/ユーザー/月)にしないとAI機能をフルに使えない。無料プランでもノート作成はできるが、AI機能は制限される。一人で使うには割高で、個人のメモ帳としてはオーバースペックだろう。それから、データは完全にクラウド依存。エクスポート機能はあるが、ローカル保存を前提とした運用は想定されていない。

Obsidian — ローカルに「自分の知識体系」を持つ

Obsidianの本質はMarkdownエディタだ。AI機能は標準搭載ではなく、コミュニティプラグインで追加する設計になっている。最も人気のあるCopilotプラグイン(月$14.99)を導入すれば、ノート内のAI補完やチャット機能が手に入る。

正直、最初はNotion AIに比べてAI体験が劣ると感じていた。だが使い込むうちに評価が逆転した。Obsidianの真価はAI機能ではなく、「ローカルのMarkdownファイル」というデータ形式そのものにある。5,085以上のコミュニティプラグインで自由にカスタマイズでき、全てのデータが手元に残る。ベンダーロックインの心配がゼロだ。サービスが終了してもファイルはそのまま使える。

バックリンクとグラフビューでノート同士を繋ぐ体験は、他のどのツールにもない。AIの力を借りなくても「整理する」能力が圧倒的に高い。チーム利用には不向きだが、個人のナレッジベースとしては唯一無二の存在だ。Notion AIとの詳細比較でも書いたが、この2つは「競合」ではなく「用途が違うツール」だと捉えた方がいい。

NotebookLM — AIが「ソースを読んで答える」

他の3つが「書く」ためのツールなら、NotebookLMは「学ぶ」ためのツールだ。Google内製のGemini 3.5を搭載し、アップロードしたPDF・Webページ・動画・音声をソースとして読み込み、質問に根拠つきで答えてくれる。回答の根拠をソース内の該当箇所にリンクしてくれるので、ハルシネーションの検出がしやすい。

Audio OverviewとVideo Overview機能は特に面白い。論文をアップロードすると、ポッドキャスト形式の要約音声を自動生成する。通勤中に論文の概要を「聴ける」体験は、学習の効率を明確に変えた。

このメディアでもNotebookLMとNotion AIを比較したが、リサーチ用途ではNotebookLMが圧倒的だ。一方で、ソースのないフリーライティングには向かない。何かを「書く」場面では、別のツールが必要になる。ノートアプリというよりリサーチアシスタントに近い存在だ。

無料プランで十分に使える。Plus($7.99/月)とUltra($200/月)の有料プランもあるが、Plusは応答品質が若干上がる程度。Ultraはチーム共有が中心で、個人利用では無料プランで事足りる。ここが他の3ツールと決定的に違う点だ。NotebookLMは「無料でちゃんと使える」数少ないGoogleのAIサービスと言っていい。

Mem — 「整理しない」という設計思想

Memの思想は他の3ツールと根本的に異なる。フォルダを作らない。タグも付けない。メモを書くだけで、AIが自動的に関連するメモ同士を紐づけ、後から検索やサジェストで引き出す。

「いちいちフォルダを分けるのが面倒」「ノートアプリの整理に時間を奪われたくない」——そんな人にはぴったりだ。会議メモ、アイデアの断片、読んだ記事の感想。何でも投げ込んでおけば、AIが文脈を理解して必要なときに出してくれる。Notion AIやObsidianで「どのフォルダに入れよう」と悩む5秒が、Memにはない。

ただし制約も明確だ。Androidアプリがなく、モバイルはiOSのみ。日本語の処理精度にもやや不安が残り、長い日本語の文脈を正確に拾えない場面がある。ユーザーベースは他の3ツールより小さく、コミュニティやプラグインのエコシステムも存在しない。Proプランの月$14.99は、Obsidian(コア無料)やNotebookLM(無料で実用的)と比べると、提供される機能に対して割高に感じる。「整理しない」という体験に価値を見出せるかどうかが、課金の分かれ目だ。

用途別おすすめ

フリーランス・個人事業主: Obsidian + NotebookLMの併用を勧める。日々の業務メモはObsidianで蓄積し、クライアント資料の分析はNotebookLMに任せる。どちらもコア機能が無料なので、維持コストも低い。

スタートアップ・小規模チーム: Notion AI一択だ。ドキュメント・プロジェクト管理・Wiki・AIチャットが1つに収まる。チームの情報基盤として、2026年時点で最も完成度が高い。

研究者・大学院生: NotebookLMをメインに。Claude Projectsとの併用パターンも効果的で、論文の読み込みと要約はNotebookLM、論証の構築と執筆はClaudeという分担が現実的だ。

メモ魔タイプ: Memが最適。整理コストをゼロにしたい人、とにかく記録を残して後から引き出したい人には、「構造を強制しない」という設計思想そのものがフィットする。

「併用」という現実解

多くの比較記事では「これ1つで完結」という結論に持っていくが、筆者の実感は逆だ。用途によって最適なツールが変わる以上、2ツール併用が最も自然な落とし所になる。

  • 書く + 整理する → Notion AI(チーム)or Obsidian(個人)
  • 学ぶ + 調べる → NotebookLM

この2軸で選べば、大きく外すことはない。

筆者自身は現在、Obsidian + NotebookLMの構成で運用している。日常のメモと記事の下書きはObsidianに書き、リサーチ対象の論文やドキュメントはNotebookLMに投げて分析する。以前はNotion AIも使っていたが、チーム作業がない個人利用では機能を持て余すことに気づき、Obsidianに一本化した。

データの主権という判断軸

最後にもうひとつ、見落としがちな判断基準がある。データの主権だ。

Obsidianだけは全てのデータがローカルのMarkdownファイルとして手元に残る。サービスが終了しても、ファイルはそのまま別のエディタで開ける。Notion AI・NotebookLM・Memの3つはクラウド前提の設計で、データのエクスポートは可能だが、プラットフォームへの依存を前提として受け入れることになる。

「自分のメモは自分の手元に置きたい」と思うなら、答えは最初からObsidian一択だ。逆に、クラウドの利便性(どの端末からでもアクセス、チーム共有、自動バックアップ)を優先するなら、Notion AI・NotebookLM・Memのいずれかを選ぶことになる。

4ツールとも無料プランがある。自分のワークフローに合うかは実際に触って確かめるのが一番早い。まずNotion AIObsidianのどちらかを「書く」軸で選び、NotebookLMを「学ぶ」軸で併用するのが、筆者のおすすめパターンだ。

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