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Xiaomiのオープンモデルが「公開最強」を取った — MiMo-V2.6がKimiもGLMも抜いた

オープンウェイトモデルの「一番強いのはどれか」という順位表は、ここ数カ月でめまぐるしく入れ替わってきた。Kimi K3が出て、GLM-5.3が抜き返し、と。その先頭に、また新しい名前が割り込んできた。しかも、AIモデルの本家ではなくスマホメーカーのXiaomiだ。

2026年9月22日、Xiaomiが MiMo-V2.6 を公開した。旗艦の MiMo-V2.6-Pro は、Artificial AnalysisのIntelligence Indexで 46点。Kimi K3(44)とGLM-5.3(45)を上回り、「公開されている(重みが手に入る)モデルの中では現時点で最強」という位置に立った。

スコアの前に、まず「重みがMITで配られる」ことの意味

数字そのものより先に、私が重要だと思うのはライセンスだ。

MiMo-V2.6はPro・Flash・9Bの蒸留版まで、重みが MITライセンス でHugging Faceに公開されている。MITは制約がほとんどない。商用利用も、改変も、再配布も基本的に自由だ。「公開最強のモデルを、自社サーバーに置いて、追加料金なしで好きなだけ回せる」——これがどれだけの意味を持つかは、APIの従量課金に毎月頭を悩ませている人ほど分かるはずだ。

クローズドなフラッグシップがどれだけ賢くても、それは他社のサーバーの上にある。使うたびに課金され、いつ値上げされるか、いつ提供終了になるかは向こう次第だ。対してオープンウェイトは、一度落としてしまえば手元に残る。トップ性能のモデルがこの条件で手に入るというのは、静かだが大きい。

ProとFlash、そして全部入りの入出力

MiMo-V2.6は複数サイズで出ている。中身はどちらもスパースなMoE(混合エキスパート)で、全パラメータのうち一部だけを毎回動かすことで、規模の割に推論を軽くする設計だ。

  • MiMo-V2.6-Pro: 総パラメータ約1.02兆、活性42B。ベンチ首位を取った旗艦
  • MiMo-V2.6-Flash: 総パラメータ309B、活性15B。高volumeで回す効率版

そして両方が ネイティブなomnimodal。テキスト・画像・動画・音声を、別々のモデルを継ぎ足すのではなく1つのモデルで扱う。コンテキストは 100万トークン。長いリポジトリ、ツールの実行ログ、複数セッションにまたがるエージェントの履歴——こうした「積み上がっていく文脈」を、途中で切らずに読ませられる射程だ。

前世代のMiMo-V2.5もomnimodalと1兆パラを掲げていたので、アーキテクチャの方向性は継続。今回のニュースは「同じ路線のまま、ベンチの首位を取り切った」点にある。

これで何ができるようになるか

トップ性能のomnimodalモデルが、MITで、しかも自前ホストできる。この組み合わせは、これまで「やりたいけどコストとデータ管理で諦めていた」領域を現実に引き寄せる。

たとえば、社内の動画マニュアルや会議録画をまるごとモデルに読ませて検索・要約させる、といった用途。クローズドAPIに機密の映像を投げるのは腰が引ける、という組織は多い。だが自社サーバーに置いたMiMoなら、データが外に出ない。omnimodalなので「動画の内容について質問する」処理を、画像認識・音声認識・言語モデルを別々に繋ぐことなく1本で回せる可能性がある。

Flashの方は活性15Bと軽いので、大量のマルチモーダル処理を安く回す土台になりうる。前述のGPT-6 Lunaのようなクローズドの激安モデルと、自前ホストのFlashを費用で天秤にかける——そんな比較が現実的な選択肢になってきた。

すぐ触ってみたい人は、重みをダウンロードしなくてもいい。APIはXiaomiのプラットフォームに加えてOpenRouter経由でも提供されており、他モデルと同じ感覚で試せる。技術レポートも公開されているので、アーキテクチャの詳細を追いたい人はそちらを当たると早い。

冷静に見ておきたい点

とはいえ、いくつか割り引いて考えたい。

まず、Artificial AnalysisのIndexで1〜2点上回ったからといって、あらゆるタスクで最良とは限らない。総合指標での首位は「平均的に強い」ことを示すが、日本語の細かいニュアンスや特定ドメインでは、Kimi K3やGLM-5.3、あるいはQwen系の方が合う場面も普通にありうる。順位表は入れ替わりが激しく、来月にはまた別の名前が先頭に来ている可能性が高い。

そして1兆パラのProを自前で動かすには、相応のGPUが要る。「MITだからタダで使える」と言っても、動かすインフラはタダではない。個人が気軽に手元で回せるのは、現実的には9Bの蒸留版やFlashまでだろう。

数字の主張はいずれもXiaomi・Artificial Analysis発表ベースだ。導入を検討するなら、自分のユースケースで小さくベンチを取り直してから決めるのが堅い。それでも、「スマホメーカーが公開最強のオープンモデルを出す」時代になったこと自体が、この分野の裾野の広がりを物語っている。

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