Perplexityが動画を作り始めた — AI検索エンジンに「映像で答える」機能が付いた理由
AI検索エンジンが、動画を生成し始めた。

Perplexityがテキストプロンプトから動画を作る機能を静かにロールアウトしている。Google DeepMindのVeo 3.1をベースに、8秒のシネマティック動画を音声付きで生成する。Web、iOS、Androidの全プラットフォームで利用可能で、Search、Research、Createの各モードに対応している。
一見すると「また動画生成AIか」と思うかもしれない。RunwayもSoraもKlingもある中で、なぜPerplexityが動画を? その答えは「検索データとの統合」にある。
検索結果が映像になるという発想
Perplexity Videoの独自性は、リアルタイムのWeb検索と動画生成が直結している点だ。通常の動画生成AIではプロンプトを書いて映像を作るだけだが、Perplexityでは検索で集めた情報を元に、その内容を映像化できる。
たとえば「2026年のAIチップ市場のトレンドを説明する動画」と指示すれば、Perplexityはまず最新のWeb情報を検索し、データを整理した上で、それを解説する短い動画を生成する。単なるプロンプトベースの動画生成とは出発点が違う。
この仕組みは教育コンテンツやニュース解説で特に力を発揮しそうだ。テキストで読むより映像の方が理解しやすいトピック — 科学的な概念の可視化、時系列の変化、空間的な関係性の説明 — を、検索結果から直接動画に変換できる。
月5本という現実
ただし制約は大きい。Proプラン(月額20ドル、約3,000円)では月5本まで。Maxプラン(月額200ドル、約30,000円)でも月15本だ。追加クレジットの購入はできない。
月5本。率直に言って「試す」には十分だが「使い倒す」には全く足りない。1本8秒という長さも、本格的なコンテンツ制作にはまだ短い。現時点では「AI検索の延長線上にある実験的機能」と捉えるのが正確だろう。
動画クオリティ自体はVeo 3.1の性能に依存するため悪くない。シネマティックな質感、同期された音声、安定した動きは8秒という尺の中でしっかり表現されている。ただ、Runway Gen-4やSoraのような長尺・高精度の動画生成と比べると、あくまで「検索体験の拡張」としての動画であり、プロの映像制作ツールとは位置付けが異なる。
Perplexity Computerとの合流点
この機能が本当に面白くなるのは、Perplexity Computerとの組み合わせだろう。Perplexity Computerは複雑なマルチステップのタスクを自律的にこなすAIエージェントだ。「○○について調べて、資料をまとめて、解説動画も作って」という一連の指示を1回で処理できる可能性がある。
リサーチ → テキストまとめ → 動画生成のパイプラインが1つのプラットフォーム内で完結する。これはRunwayやSoraでは実現できない。動画生成の「品質」ではなく「文脈の接続」で差別化するアプローチだ。
「全部入り」戦略の是非
Perplexityの動きは、AI検索から始まってコード実行、ファイル生成、画像生成、そして動画生成へと機能を広げる「スーパーアプリ」路線だ。ChatGPTが同じ方向に進んでいるのと軌を一にしている。
正直なところ、個々の機能では専門ツールに勝てない。動画はRunway、画像はMidjourney、コードはCursor。だがPerplexityの賭けは「個別機能の最高品質」ではなく「ひとつの場所で全部できる便利さ」にある。ユーザーがツールを切り替えるコストは想像以上に高い。検索しながら、そのまま動画が出てくるなら、品質が多少落ちても使いたい場面は確実にある。
Perplexityの無料プランでは動画生成は使えない。Proプランは月額20ドル(約3,000円)から。動画生成だけを目当てにProに上げるほどの価値はまだないが、既にProを使っているなら試してみる価値は十分ある。
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