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Manus Desktop — Metaが買収したAIエージェント、ついにPCを直接操作し始めた

Manus Desktop

2025年12月、MetaがAIスタートアップManusを買収した。そこから3ヶ月。2026年3月18日、Manusはデスクトップアプリをリリースし、AIエージェントがローカルPC上のファイルやアプリを直接操作できるようになった。

クラウドのサンドボックスで動いていたAIが、あなたのMacのデスクトップに降りてきた。

「My Computer」とは何か

Manusの新機能「My Computer」は、AIエージェントにローカルPCのファイルシステムとアプリケーションへのアクセスを許可する。具体的には、ファイルの読み込み・分析・編集、アプリケーションの起動と操作ができる。

従来のManus(Web版)は、クラウド上のサンドボックスで作業が完結していた。市場調査レポートの作成、Webスクレイピング、スプレッドシートの生成。これらはすべてManus側の環境で処理され、結果だけがダウンロードされる仕組みだった。

デスクトップ版では、自分のPC内のファイルをそのまま参照・操作できる。ローカルのCSVを分析してレポートを作る、手元のドキュメントを要約する、といった作業がファイルアップロードなしで可能になる。

OpenClawとの競争

このリリースのタイミングは偶然ではない。2026年1月にOpenClawが爆発的に普及し、GitHub史上最速で21万スターを突破。OpenClawはローカルデバイス上で動作し、WhatsApp、Telegram、Slack、Discordなど50以上の統合を提供する。

Manusのデスクトップ版は、このOpenClawの勢いに対する直接的な回答だ。「ローカルで動くAIエージェント」というカテゴリが市場として成立したことを受けて、Manusもクラウドからローカルへと軸足を移した。

ただし両者の性格は異なる。OpenClawがメッセージングアプリのハブとして機能するのに対し、Manusはより汎用的なタスク自動化に焦点を当てている。OpenClawはコミュニティ駆動のオープンソース、ManusはMeta傘下のプロプライエタリ。

Telegramでも動く

デスクトップ版に先立つ2月には、Telegram上でManusのAIエージェントを利用できる機能もリリースされている。他のメッセージングアプリへの対応も予告されており、Metaのメッセンジャーエコシステム(WhatsApp、Messenger)との統合も時間の問題だろう。

Meta傘下になったことで、ManusがInstagramやWhatsAppと深く統合される未来は容易に想像できる。これはOpenClawにはない優位性だ。

懸念点

正直に書く。AIにPCの中身を触らせることへの不安は大きい。ファイルの読み込みだけならまだしも、「編集」と「アプリケーションの操作」まで許可するのは、誤操作のリスクと引き換えだ。

Meta傘下である点も、プライバシー面で引っかかる人はいるだろう。ローカルファイルへのアクセスデータがMetaのサーバーに送信されないか。この点の透明性は、Manusの普及に直結する。

もうひとつ。2025年3月の初登場時、Manusは招待制で実際に使えるユーザーが限られ、過度なマーケティングと実態のギャップが批判された。デスクトップ版がその反省を活かしているかは、使い込んでみないとわからない。

使ってみるべきか

「AIにPCを操作させる」というコンセプトに興味があるなら試す価値はある。ただし、現時点ではまだ慎重に使うべきフェーズだ。重要なファイルが入っているディレクトリではなく、テスト用のフォルダで挙動を確認してから範囲を広げるのが安全だろう。

OpenClawのようなオープンソースの透明性を好むか、Manusのような商用プロダクトの完成度を好むかは、価値観の問題だ。2026年はこの2つの路線が共存しながら、「AIエージェントがPCに住む」という新しい常識を作っていく年になる。

Manus公式サイト

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