GitHub Copilot「使い放題」終了へ — 6月1日からトークン従量課金、月$10で何ができるのか
月額$10で好きなだけ使えるAIコーディングアシスタント。その前提が、あと1か月で崩れる。
4月27日、GitHubは公式ブログで、2026年6月1日よりすべてのCopilotプランを従量課金制(Usage-Based Billing)に移行すると発表した。月額料金は据え置きだが、「プレミアムリクエスト数」ベースの課金が廃止され、トークン消費量に基づく「AIクレジット」方式に切り替わる。
何が変わるのか
これまでのCopilot Pro(月$10)には、月50回のプレミアムリクエストが含まれていた。6月以降は、これが**月$10分のAIクレジット(1,000クレジット)**に置き換わる。1クレジット=$0.01で、使用するモデルごとにトークン単価が異なる。
各プランのクレジット割当は以下の通りだ。
- Copilot Free — 月間クレジット付与あり(コード補完+限定的なチャット)
- Copilot Pro($10/月) — 月1,000クレジット
- Copilot Pro+($39/月) — 月3,900クレジット
- Business($19/ユーザー/月) — 月1,900クレジット
- Enterprise($39/ユーザー/月) — 月3,900クレジット
重要なのは、コード補完とNext Edit Suggestionsはクレジットを消費しないという点。つまり、タブキーでコードを受け入れる基本的な補完機能はこれまで通り使える。クレジットを消費するのは、チャット、エージェントモード、コードレビューなどの「プレミアム」機能だ。
モデルによって消費速度が全く違う
ここが今回の変更で最も注意すべきポイントである。
GPT-4.1やGPT-5 miniなどの一部モデルはクレジット消費なしで利用できる。一方、Claude Sonnet 4.6(入力$3/出力$15 per 1Mトークン)やClaude Opus 4.7(入力$5/出力$25 per 1Mトークン)のような高性能モデルを使えば、クレジットの減りは格段に速くなる。
つまり、同じ月$10でも「どのモデルで」「どれだけチャットするか」でコストが大きく変わる。ライトユーザーなら今まで通り、ヘビーユーザーは追加課金が発生する可能性がある。
開発者コミュニティの反応
発表直後から、開発者コミュニティでは批判的な声が目立つ。Visual Studio Magazineは「You will get less, but pay the same price(同じ値段で得られるものが減る)」と題した記事を掲載。GitHubのDiscussionスレッドにも「予測不能なコストが怖い」「企業利用で予算管理が難しくなる」といったコメントが並んでいる。
一方で、GitHubはいくつかの緩和策も用意している。
- Business/Enterprise顧客には6〜8月の3か月間、通常より多いクレジットを付与(Businessは月$30分、Enterpriseは月$70分)
- 組織内でクレジットをプール共有できる仕組みを導入
- 5月上旬からプレビュー請求機能を提供し、移行前にコスト予測が可能に
率直に言って、避けられない流れだった
個人的には、この変更は「いつ来るか」の問題だったと思う。AIコーディングツールの推論コストは各社の収益を圧迫し続けており、定額制で高性能モデルを無制限に提供するモデルは持続可能ではなかった。Anthropic APIを直接叩いた場合のOpus 4.7の料金を考えれば、月$10で使い放題だった従来のCopilotは明らかに破格だった。
ただし、懸念もある。「月$10」という価格の分かりやすさがCopilotの強みだったのに、それが「月$10から」に変わることで、CursorやClaude Codeなど競合ツールとの比較が複雑になる。特にエージェントモードを多用する開発者にとっては、実質的な値上げになる可能性が高い。
年間プラン利用者は、現在のサブスクリプション有効期限まで従来通り利用できる。有効期限後は月額プランへの移行が必要で、移行しなければCopilot Freeにダウングレードされる。
まだ1か月の猶予がある。5月のプレビュー請求機能で自分の使用量を確認し、必要に応じてモデル選択やワークフローを見直すのが現実的な対応だろう。
関連記事
月500ドルが消えた — Devinの新料金体系で何が変わったのか
Devinの料金が刷新。旧$500プラン廃止・ACU廃止で5段階に。新プランの詳細と影響を解説。
Linuxカーネルが「AIで書かれたコード」を正式に受け入れた — TorvaldsとCopilotの間で起きていたこと
2026年4月12日、Linuxカーネルプロジェクトが正式にAI生成コードの受け入れ方針を策定。Copilotは可、AIスロップは不可、責任は提出者という3点セットの中身と、なぜTorvaldsが態度を変えたのかを解説。
Copilot CLIに「ラバーダック」がやってきた — 異なるモデル同士で相互レビューする時代
GitHub Copilot CLIの新機能「Rubber Duck」を解説。異なるモデルファミリーでプランとコードを相互レビューし、Sonnet→Opusの性能差の74.7%を埋める仕組みを整理する。