GitHub Copilot $10プランが2時間で尽きる — 新設Maxプラン$100は解決策になるか
6月1日、GitHub Copilotの従量課金が始まった。
移行自体は4月から予告されていた。月額は変わらない、コード補完は無制限、と説明されていた。だが実際に課金が始まると、開発者コミュニティは想定外の数字に直面することになった。
Pro+プラン($39/月)のあるユーザーは、エージェントモードを2時間使っただけで月間クレジットの8%を消費した。このペースだと25時間で月の上限に達する計算になる。TechCrunchの取材では「月額$29が実質$750相当になった」という報告もあった。GitHubの公式ディスカッション(#192948)には数千件のコメントが殺到し、ダウンボート数は900を超えた。
これは「値上げ」ではない。月額料金は据え置きだ。だが、使い方によっては以前の10倍〜50倍のコストがかかる構造になった。
従量課金の仕組み — 「何が」クレジットを食うのか
新しい課金体系では、1 AI Credit = $0.01として、使用したモデルのトークン単価に応じてクレジットが消費される。
クレジットを消費する機能:
- チャット
- エージェントモード
- コードレビュー(トークン消費+GitHub Actionsの分数)
- Copilot CLI
- Cloud Agent
クレジットを消費しない機能:
- コード補完(Tab補完)
- Next Edit Suggestions
ここがポイントで、単純なTab補完は無制限のまま。コストが膨らむのはチャットとエージェントモードだ。特にエージェントモードはモデルを何度も呼び出すため、1回のセッションで数百クレジットが消えることもある。
さらに、モデルによって単価が大きく違う。GPT-5.5は入力$5/出力$30(per 1Mトークン)だが、MAI-Code-1-Flashなら入力$0.75/出力$4.50。同じ作業でも使うモデルで24倍のコスト差が生まれる。
全プラン比較 — 誰が何を得るか
| プラン | 月額 | AI Credits | 内訳 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 限定的 | コード補完2,000回+チャット50回/月 |
| Pro | $10 | 1,500 | base 1,000+flex 500 |
| Pro+ | $39 | 7,000 | base 3,900+flex 3,100 |
| Max | $100 | 20,000 | base 10,000+flex 10,000 |
注目すべきはflex allotmentという仕組みだ。各プランのクレジットは「base」と「flex」に分かれている。baseは月額料金に1:1で対応する固定枠。flexはGitHubが「AIの経済性の変化に応じて調整する」と明言している可変枠だ。つまり、モデル単価が下がればflexが増え、上がれば減る可能性がある。
もうひとつ見落としがちな点がある。年間プランは廃止された。 現在の年間契約ユーザーは期限まで旧料金が適用されるが、更新時に月額プランへ移行する。年間一括払いによる割引は、もう使えない。
Maxプラン — $100で何ができるか
6月1日に新設されたMaxプランは、月$100で20,000 AI Credits(約$200相当)を提供する。現時点では既存のStudent/Pro/Pro+ユーザーのみアップグレード可能で、新規登録は近日中に開放される予定だ。
$100という数字は高く見える。だがエージェントモードを日常的に使う開発者にとっては、Pro+の7,000クレジットでは足りない。実際、Claude Code Max($100〜$200/月)やCursor Ultra($200/月)と同価格帯だ。
正直なところ、Maxプランが必要かどうかは使い方で大きく分かれる。Tab補完とたまのチャットだけなら$10のProで十分。だがエージェントにPRを書かせたり、コードレビューを自動化するなら、$39のPro+でも足りない月が出てくる。
開発者はどこに流れているか
批判の声とともに、代替ツールへの移行を検討する動きも出ている。
- Claude Code / Anthropic直接利用 — API直接利用なら従量課金のレートが明確
- OpenRouter / RooCode — 複数モデルのルーティングで最適な単価を選べる
- Cursor — IDEごと乗り換え。Pro $20/月はまだ定額制を維持
- ローカルLLM — LM StudioやOllamaで完全無料。ただし性能は劣る
ただ、冷静に見ればGitHubの判断には合理性もある。定額制でエージェントモードを使い放題にすると、ヘビーユーザーが$10/月で$300〜600相当のAPI消費をする構造になっていた。これはどのAIコーディングツールにも共通する課題で、Anthropicも6月15日にClaude CodeのAgent SDK利用を別クレジットプールに分離する。従量課金への移行は、AI開発ツール全体のトレンドだ。
どのプランを選ぶか
判断の軸はシンプルで、「エージェントモードをどれだけ使うか」に尽きる。
- Tab補完+時々チャット → Pro ($10/月) で十分
- チャット中心、エージェント週数回 → Pro+ ($39/月) が安全圏
- エージェント毎日、コードレビュー自動化 → Max ($100/月) か、Cursor/Claude Codeへの乗り換えを検討
コストを抑えるコツもある。高価なGPT-5.5ではなくMAI-Code-1-FlashやClaude Sonnet 4.6など安価なモデルを選ぶだけで、同じクレジットで5〜10倍の作業量をこなせる。モデル選択がコスト管理に直結する時代になった。
従量課金への移行は避けられない流れだ。問題は「いくら使っているか」を把握できる仕組みが十分かどうか。GitHubはダッシュボードでリアルタイムのクレジット消費を確認できるようにしている。まずはそこで自分の使い方を1週間モニタリングしてみるのが、プラン選びの第一歩になる。
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