Cursorのカスタマイズ設定、いままで散らばっていた — v3.9で1画面に集約
Cursorをしばらく使っていると、ある問題に気づく。
MCPサーバーの設定はここ、プラグインの管理はあそこ、スキルの定義はまた別の場所。拡張機能が増えるほど「あの設定どこだっけ」が頻発する。チームで使っていればなおさらだ。メンバーごとに導入しているプラグインがバラバラで、便利なMCPサーバーがあっても共有されないまま埋もれていく。
Cursor 3.9(6月22日リリース)は、この散らばりをひとつの画面に集約した。
Customizeページの中身
新しい「Customize」ページには、Cursorの拡張に関わるほぼすべてが集まっている。プラグイン、スキル、MCPサーバー、サブエージェント、ルール、コマンド、フック。これらをユーザー単位・チーム単位・ワークスペース単位で追加・管理できる。
設定の粒度がきちんと分かれているのは好印象だ。「自分だけの設定」「チーム共通の設定」「このプロジェクトだけの設定」を明確に使い分けられる。
チーム内リーダーボード
Customizeページには、チーム内で人気のプラグイン・スキル・MCPがランキング表示される。
地味に見えるが、実際に使ってみると効果が大きい。「うちのチームではこのMCPが一番使われている」という情報は、新メンバーのオンボーディングを加速させる。ランキングからワンクリックで自分の環境に追加できるので、「便利なのに知られていない」問題が解消される。
VS Codeの拡張マーケットプレイスがダウンロード数でソートできるのと似た発想だが、スコープが「チーム」に絞られているのがポイントだ。世界中で人気のプラグインより、自分のチームで実際に使われているプラグインのほうが実用的なことが多い。
Plugin Canvas — テンプレート共有
もうひとつの目玉がPlugin Canvasだ。
プラグインが「事前構築済みのキャンバス」を提供できるようになった。チームで使い回せるセットアップテンプレートのようなもので、開いた瞬間に必要な設定が揃った状態で作業を始められる。
すでに動いているのはHex Canvas(データ可視化の構築環境)とAtlassian Canvas(Jira/Confluenceの課題・プロジェクト・ドキュメントをリアルタイム表示)の2つ。プラグイン開発者が独自のCanvasを作れるので、今後増えていくだろう。
GitLab・BitBucket・Azure DevOps対応
チームマーケットプレイスがGitHub以外のリポジトリホスティングに対応した。GitLab、BitBucket、Azure DevOpsからプラグインリポジトリをインポートし、チーム内に配布できる。
GitHub以外を使っている組織にとっては待望の機能だ。特にエンタープライズ環境ではGitLabやAzure DevOpsが標準というケースが多い。
3.7→3.8→3.9、週単位で変わるCursor
Cursor 3.9を単独で見るとカスタマイズ周りの整理に見えるが、直近の流れを押さえておくと位置づけがわかる。
3.7(6月5日)ではDesign Modeが強化され、ブラウザ上で複数のUI要素を同時選択し、音声で修正指示を出せるようになった。エージェントが実行中でも次の変更をマイクでキューイングできる。3.8(6月18日)ではAutomationsにGitHub PRやSlack絵文字のトリガーが追加され、人間の介入なしにCursorが動き出す仕組みが整った。
そして3.9がカスタマイズの統合。つまり「UI操作→自動化→拡張管理」と、開発ワークフローの異なるレイヤーを1週間ずつ攻めている。SpaceXに$60Bで買収された後もこのペースが落ちていないのは、率直に言ってすごい。
気になる点
Customizeページに集約されたのは歓迎だが、プラグイン・スキル・MCPの違いが初見では分かりにくい。それぞれの役割と使い分けのガイダンスが充実すると、もっと使いやすくなるだろう。
また、チームマーケットプレイスのリーダーボードは小規模チームほどランキングの意味が薄れる。5人のチームで「1位: 3人が使用」と言われても発見にはつながりにくい。ある程度の規模がある組織で真価を発揮する機能だ。
何が変わるか
Cursorが「個人のAI IDE」から「チームのAI開発プラットフォーム」に変わりつつあるのが、ここ数週間のアップデートではっきり見える。
Customizeページの本質は、チーム全体のAI開発環境を標準化できることにある。新しいメンバーが入ったとき、ランキング上位のプラグインとMCPを入れるだけで、チームの暗黙知がある程度移植される。「先輩のCursorの設定を見せてもらう」という手間が減る。
MCPサーバーの管理がチーム単位でできるようになったことで、社内APIやデータベースへのAIアクセスを管理者がコントロールしやすくなった点も見逃せない。セキュリティと利便性の両立が、Cursorのエンタープライズ展開を左右する。
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