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Perplexityのエージェントが、クラウドを使わずPCの中だけで動くようになった — RTX搭載Windowsで動く「Portable Computer」

AIエージェントに仕事を任せるとき、いつも少しだけ引っかかることがある。処理のためにファイルや履歴がどこかのサーバーへ送られていく、という事実だ。便利さと引き換えに、手元のデータを外に出している。

その前提を、Perplexityが静かにひっくり返してきた。

2026年9月14日、PerplexityはエージェントComputerのオンデバイス版「Portable Computer」をWindows向けに提供開始した。クラウドに投げるのではなく、あなたのPCの中だけで動く。対応するのはNVIDIA GeForce RTX、またはRTX PROワークステーションで、VRAMが24GB以上の環境。配布はMicrosoft Store経由のWindows版Perplexityアプリで、Pro / Maxプランのユーザーが対象になる。

何が「ローカル」なのか

Portable Computerは、これまでクラウドで動いていたPerplexity Computerエージェントを、端末上で完結させる仕組みだ。裏で動くモデルはNVIDIA RTX向けに最適化されたQwen 3.8 27B。マルチステップのタスク——調べて、整理して、成果物を作る——を、データを外に出さずにこなす。

ポイントは二つある。ひとつは、端末上で行った処理はクレジットを消費しないこと。クラウド版のように使うたびに残量を気にする必要がない。もうひとつは、ファイルがコンピュータから出ていかないこと。ローカルで閉じているので、当然といえば当然なのだが、この「当然」が今まで無かった。

しかも孤立しているわけではない。Outlook、OneDrive、Word、Google Drive、Gmail、Slack、GitHubといったコネクタで外部サービスに接続できる。ローカルで動きつつ、実務のワークフローには手が届く、という設計になっている。

これで何ができるようになるか

わかりやすいのは、社外に出せないデータを扱う仕事だ。契約書、患者情報、決算前の財務データ——クラウド型のエージェントには渡しにくかった類の情報を、端末内で処理してエージェントに任せられる。「AIに任せたいけど、この資料は外に出せない」という板挟みが、ひとつ消える。

コネクタと組み合わせると、もう一段面白くなる。たとえば手元のローカルファイルをエージェントに読ませて分析させ、その結果だけをSlackやOutlook経由で共有する、といった流れが端末内で成立する。生データは外に出さず、成果物だけを外に出す。プライバシーの境界を、ワークフローの中で自然に引ける。

クレジットを消費しないという点も、地味だが効いてくる。使うほどコストがかさむ従量課金の心理的ブレーキが外れると、「とりあえずエージェントに投げてみる」の敷居が下がる。試行回数が増えれば、使いこなしも進む。

正直なところ

素直にすごいと思うのは、プライバシーとコストの二つを同時に解いてきたことだ。ローカルLLMは「安全だが不便」になりがちだが、Perplexityのエコシステムとコネクタに乗せることで、その不便さをかなり埋めている。

一方で、微妙な点もはっきりしている。VRAM 24GB以上という要件は、正直かなり重い。RTX 4090や5090クラス、あるいはRTX PROが前提になるわけで、一般的なノートPCやミドルレンジのデスクトップでは動かない。「誰でも使える」機能ではなく、ハイエンドGPUを持つ層向けの機能だ。

加えて、動いているのはQwenベースのオンデバイスモデルなのでGPT-6やClaudeといったクラウドのフロンティアモデルほどの賢さは期待しにくい。Windows限定・Pro/Maxプラン限定という制約もある。プライバシーとコストのために、生の性能とアクセスのしやすさをいくらか手放している、と捉えるのが正確だろう。

とはいえ、方向性としては正しい。オンデバイスAIエージェントが「ハイエンドGPUの特権」から「当たり前」に降りてくるのが先か、クラウド型がプライバシー保証を強化してくるのが先か。今回のPortable Computerは、その競争の号砲のひとつだと思う。

詳細はPerplexity公式を確認してほしい。

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