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OpenAIが一晩で20以上を発表 — DevDay 2026の目玉は新モデルより「ChatGPTがOSになったこと」

前日に「今年のDevDayで何が出るか」を予想する記事を書いた。そして日本時間9月30日の午前2時、Sam Altmanが壇上に立って、予想の答え合わせが始まった。

結論から言うと、今年のDevDayは「新モデルのお披露目会」ではなかった。もちろん新モデルは出たのだが、キーノートの大半は別のところに時間を割いていた。ChatGPTを、開発者が自分のアプリを載せられる「土台」に変える——それが今年の本題だった。

発表は20を超える。全部を並べても読みづらいので、実際にユーザーと開発者の生活を変えそうなものに絞って整理する。

新モデル「GPT-6.1 Sol」——安さで殴りに来た

まず目に入るのは新モデル GPT-6.1 Sol。9月22日に出たばかりのGPT-6 Solの上位版で、エージェント的なコーディング、コンピュータ操作、実務作業が得意になったとされる。

数字で一番効くのはここだ。OpenAIは「フラッグシップのAstraに近い知能を、Astraの2割のトークン単価で出せる」と主張している。性能そのものよりも、性能あたりのコストを下げてきた、という位置づけだ。

これは後述するDotsや各種エージェント機能の前提になっている。24時間動き続けるエージェントを現実的なコストで回すには、そもそも1回あたりの推論が安くなければ話にならない。新モデルは単体のニュースというより、「この後に出てくる機能を成立させるための土台」として読むほうがしっくりくる。

Dots——ChatGPTの中で24時間働く常駐エージェント

今年のキーノートで一番拍手が起きていたのが Dots だ。ひとことで言うと、ChatGPTの中に住み込んで24時間動き続ける自律エージェント。

一つひとつのDotがGPT-6 Astra上で動き、それぞれ専用のクラウドコンピュータとブラウザを持つ。ユーザーが渡したゴールに向かって、こちらが寝ている間も勝手に作業を進める。位置づけとしてはMeta MuseやGrokの常駐ボットへの真っ向勝負だ。

「AIに指示して待つ」から「AIが常に裏で動いている」への移行は、実現すれば体験が大きく変わる。たとえば「気になっている中古機材の相場を毎日見張って、値下がりしたら教えて」「受信箱を毎朝仕分けして、返信が要るものだけ残して」といった、頼むほどでもないが地味に面倒なタスクを丸ごと預けられる。

ただ、正直ここは手放しで喜べない。24時間動くということは、24時間分の判断ミスと課金が発生し得るということでもある。勝手にブラウザを操作するエージェントが誤操作したときの責任や、走らせっぱなしのコストをどう可視化するかは、触ってみないと評価できない部分だ。

Apps SDK——ChatGPTが「アプリが動く場所」になった

個人的に、今年の本命はこれだと思う。Apps SDK の公開だ。

開発者はChatGPTの中で動くインタラクティブなアプリを作れるようになった。チャットの中にアプリが表示され、全画面表示にも対応し、会話の文脈をそのままアプリ側に渡せる。技術的にはAnthropicが作った MCP(Model Context Protocol) をベースに、HTML描画・ログイン・決済プロトコルを足した形になっている。

キーノートでは、ChatGPTの会話の横にFigmaのデザインとコメントが並ぶデモ、Photoshopの機能がChatGPT内で動くデモ、OpenAI自前のミーティングアプリが披露された。さらに開発者はアプリを審査に出して公開でき、承認されればChatGPT内の新しいディレクトリに並ぶ。

ここまで来ると、やっていることは実質「アプリストア」だ。しかも配布先の規模が違う。OpenAIはこれを、週12億人が使う共有の場に対して直接アプリを出せる、と表現している。

GPTストアのときは「カスタムプロンプトの共有」に近かったが、今回は本物のアプリが動く。開発者からすれば、iOSやAndroidに次ぐ新しい配布チャネルが一つ増えた、という受け止めになるはずだ。一方で、これは「ChatGPTという一社のプラットフォームに乗る」ことでもある。審査基準や手数料がこの先どう転ぶかは、App Storeの歴史を見てきた身としては警戒したくなる。

開発者向け——AgentKitとUltrafast

開発者向けには AgentKit が出た。エージェントを作る・デプロイする・最適化するための一式で、Agents APIがコンピュータ操作に対応した。加えて、Codexで培ったマルチエージェント、ツール検索、ツール呼び出し、コンテキスト圧縮(context compaction)がAPIに降りてくる。インフラはOpenAIが持つので、開発側はアプリ本体に集中できる、という売り方だ。

速度に振り切った Ultrafast ティアも登場した。Codexで最大8倍、APIで最大6倍速く応答が返るが、料金は標準の6倍。いまのところGPT-6 Astra向けで、Pro 500とEnterpriseプランのみ。速さに6倍払える用途は限られるので、これは万人向けというより、レイテンシが売上に直結する一部のプロダクト向けだろう。

で、結局どう受け止めるか

新モデルの性能競争は、正直もう見慣れた。今年のDevDayで効いていたのは、モデルの数字ではなく「ChatGPTをどこまでプラットフォーム化するか」という設計判断のほうだった。

MCPベースのApps SDKで外部アプリを取り込み、Dotsで常駐エージェントを走らせ、AgentKitで開発者をそのエコシステムに引き込む。三つを並べると、狙いは一貫している。ChatGPTを「質問に答える箱」から「アプリもエージェントも動くOS」に変えることだ。

うまくいけば、私たちがアプリを開く場所そのものが変わる。うまくいかなくても、MCPという共通規格の上で各社が相乗りし始めた事実は残る。どちらに転んでも、今年の9月末は「ChatGPTの意味が変わった日」として記憶される気がする。

発表の一次情報はOpenAIのDevDay 2026リキャップにまとまっている。気になる機能から順に、自分のワークフローに刺さるかを試すのが良さそうだ。

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