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JetBrainsが作ったCLIコーディングエージェント「Junie」— LLMを選ばない設計が面白い

AIコーディングエージェントの選択肢が増えすぎて、正直もう追いきれない。Claude Code、Cursor、Gemini CLI、Codex CLI——そこにJetBrainsが独自の回答を出してきた。

Junie CLI

Junie CLI は、JetBrainsが開発したLLM非依存のAIコーディングエージェントだ。3月にベータ公開され、ターミナル・IDE・CI/CDパイプラインのどこからでも使える。

他のコーディングエージェントとの最大の違いは「どのLLMでも動く」という設計思想にある。

好きなLLMを差し込める

Claude Code はAnthropicのモデルに縛られる。Cursor は複数モデル対応だがエディタと一体化している。Junie CLIはそのどちらとも違う。

OpenAI、Anthropic、Google、Grokの各モデルに対応し、**BYOK(Bring Your Own Key)**で自分のAPIキーを使える。チームでAnthropicを使い、個人の実験ではDeepSeekを試す、といった運用がシームレスにできる。

新しいモデルが出るたびに「あのツールは対応してるかな」と気にしなくて済むのは地味だが大きい。AIモデルの進化が速すぎる今、特定モデルに依存しないアーキテクチャは合理的な判断だと思う。

JetBrains IDEのコードインテリジェンスを引き出す

もう一つの強みは、JetBrains IDEとの連携だ。

Junie CLIをIntelliJ IDEAやWebStormと接続すると、IDEが持つインデックス・意味解析・型情報をエージェントが直接利用できる。これはClaude CodeやCursorにはない特性で、大規模なJavaプロジェクトやKotlinプロジェクトでの精度に差が出るはずだ。

CI/CDパイプラインに組み込めるのも実用的なポイントで、GitHubやGitLabのワークフローからJunieを呼び出してコードレビューや自動修正を走らせることができる。

料金は月$10から

プラン 月額 特徴
Individual $10(約1,500円) BYOK対応、ターミナル+IDE連携
Enterprise $60(約9,000円) SSO、チーム管理、優先サポート
BYOK(キー持ち込み) 無料(API費用のみ) 自分のAPIキーで運用

初回は1週間のGemini 3 Flash無料アクセスが付く。BYOK利用ならJetBrainsへの支払いは不要で、APIプロバイダーへの費用だけで済む。

Claude Code(Max Plan $20/月)やCursor(Pro $20/月)と比べると、BYOKで最安運用できる点は魅力的だ。ただし、BYOK利用時はAPIコストが自己管理になるため、重いタスクを連発すると結果的に高くつく可能性もある。

MCP対応、リアルタイムプロンプト修正

MCP(Model Context Protocol)サーバーのワンクリックインストールにも対応している。手動設定なしで外部ツールとの連携が可能だ。

面白い機能として、エージェント実行中にリアルタイムで指示を修正できる点がある。「ちょっと待って、あっちのアプローチにして」と途中で方向転換できるので、再実行のロスが減る。

JetBrainsユーザーなら試す価値はある

Junie CLIの立ち位置は明確だ。JetBrains IDEを日常的に使っている開発者に最もハマる。IntelliJのコードインテリジェンスをAIエージェントが活用できるのは、このツールだけだ。

逆に、VS Code中心のワークフローならClaude CodeやCursorの方が統合度は高い。Junie CLIの「どこでも動く」柔軟性は魅力だが、IDE連携の恩恵を最大限受けるにはJetBrainsのエコシステムにいる必要がある。

JetBrainsは同時期にAir(エージェント開発環境)も発表しており、AIコーディングを「補助機能」ではなく「開発環境の中核」に据えようとしている。その第一歩として、Junie CLIは真っ当な選択肢になりつつある。

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