Huaweiがカメラ付きAIスマートグラスを出した。345ドル、翻訳0.7秒

2026年、AIスマートグラスが一気に混戦になっている。
Metaが2025年にRay-Ban Metaで市場シェア85%を握り、年間740万台を出荷した。そこにAlibabaがQwen S1/G1で参入し、275ドルという価格で揺さぶりをかけた。さらにRokid、Xiaomi、ByteDanceも名乗りを上げた。
そして4月21日、Huaweiが正式に参入した。
スペックと特徴
Huawei初のカメラ搭載AIスマートグラスだ。主なスペックは以下の通り。
フレームは航空宇宙グレードのチタン合金製で、重さ約30〜31g。カメラを搭載しているのにこの軽さは評価できる。Meta Ray-Ban Gen 2が49gなので、数値上は大幅に軽い。カラーは3色(Luminous Silver、Titanium Silver Gray、Modern Black)。
カメラは写真撮影、動画録画、AI物体認識に対応。0.7秒のクイックキャプチャで、見たものをすぐに撮れる。
AI機能はHuaweiの音声アシスタント「Xiaoyi」が担当する。目玉はリアルタイム翻訳機能で、異なる言語を音声で即座に通訳するほか、タブレットと同期すれば文字起こしテキストとしてライブ表示される。
バッテリーはリチウム電池を3基内蔵し、最大8時間駆動。マグネット式急速充電に対応する。
価格は2,499人民元(約345ドル、約52,000円)から。
Meta Ray-BanとAlibaba Qwenとの比較
3つの主要プレイヤーを並べてみる。
Meta Ray-Ban Gen 2はAI機能でリードしている。MetaのAIアシスタントに加え、2026年にはGemini、Siriとの統合も報じられている。ただし価格は379ドルで、デザインの選択肢が豊富な代わりに重い(49g)。
Alibaba Qwen G1は275ドルと最安値で攻めている。Qwen大規模言語モデルを搭載し、ディスプレイなしモデルとヘッドアップディスプレイ付きモデルの2種類を展開。中国では3月から販売が始まっている。
Huaweiは345ドルで両者の中間だ。HarmonyOSによるHuaweiエコシステム(スマートフォン、タブレット、PC)との連携が強みで、翻訳機能にフォーカスしている点が特徴的だ。
正直に言えば、AI機能の成熟度ではMeta Ray-Banが一歩先を行く。HuaweiのXiaoyi AIがMeta AIやGeminiと同等の体験を提供できるかは未知数だ。
日本のユーザーが気にすべき点
リアルタイム翻訳は、海外旅行や多言語環境での仕事が多い人にとっては魅力的だ。Huaweiの翻訳精度はスマートフォン向けではすでに実績がある。
ただし、2つの懸念がある。
ひとつはHuaweiの日本市場でのポジションだ。米国の制裁以降、Huaweiのスマートフォンは日本ではほぼ存在感がない。HarmonyOSのエコシステム連携を活かすにはHuaweiのスマートフォンかタブレットが必要になるが、日本ではそもそも入手が難しい。
もうひとつはプライバシーだ。カメラ付きスマートグラスは、Metaですら「盗撮への懸念」で社会的な議論を呼んでいる。Huaweiに対しては各国政府のセキュリティ上の懸念も根強く、これが購入のハードルになるユーザーは一定数いるだろう。
AIスマートグラスという市場の現在地
2025年まではMeta Ray-Banの独走だったが、2026年に入って一気にプレイヤーが増えた。AlibabaのQwen、HuaweiのHarmonyOS、Rokidのバーチャルスクリーン型、そしてGoogleもProject Auraで再参入を狙っている。
市場は「ディスプレイ重視型」と「音声+カメラ型」に分かれつつあり、Huaweiは後者のカメラ+翻訳路線を選んだ。スマートフォンでは米国制裁で苦戦するHuaweiだが、スマートグラスという新市場では別の勝負ができる。345ドルという価格も、Metaの一強を崩すには妥当なラインだ。
日本での販売は現時点では未定だが、中国市場で成功すれば東南アジア・日本への展開も視野に入るだろう。翻訳機能が日本語にどこまで対応するかが、日本のユーザーにとっては最大の判断材料になる。
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