Google Veo 4が登場 — 30秒・4K・ストーリーボードでAI動画は「映像制作」になった

Soraが死に、AI動画生成の王座は空白になった。
そこに座ったのがGoogleだ。2026年4月、Google DeepMindは最新のAI動画生成モデル「Veo 4」をリリースした。30秒の4K動画をテキストプロンプトから生成でき、複数シーンを一貫したキャラクターでつなぐ「ストーリーボード」機能を搭載する。
これはもう「動画クリップ生成」ではない。「映像制作」だ。
Veo 4の主要機能
30秒・4K出力
Veo 3.1が8秒・720pだったのに対し、Veo 4は最大30秒・4Kに跳ね上がった。30秒あれば、商品デモ、SNSリール、短尺広告、映画のワンシーンが完結する。
プロンプトを入れるだけで、シネマティックな品質のクリップが出てくる。音声も同期生成される。
ストーリーボード:最大の革新
Veo 4最大の新機能がストーリーボードだ。
従来のAI動画ツールは、1プロンプト=1クリップの「バラ撮り」しかできなかった。複数クリップを生成しても、キャラクターの服装が変わったり、背景が統一されなかったりする。
Veo 4のストーリーボードでは、シーンごとにプロンプト・カメラアングル・キャラクターの動作を定義し、一貫性のある1本の動画として出力できる。
シーン1: カフェで女性がノートPCを開く(正面ショット)
シーン2: 画面にコードが映る(クローズアップ)
シーン3: 女性が笑顔で振り返る(肩越しショット)
こうした指示を出せば、同じ女性・同じカフェ・同じ照明で3シーンがつながった動画になる。これまでAfter EffectsやDaVinci Resolveで手動でつないでいた作業が、テキスト指示だけで完結する。
ゼロショットアバター作成
テキスト記述だけでオリジナルキャラクターを生成し、そのキャラクターを複数のシーンで一貫して使える。参照画像のアップロードは不要。「30代の日本人男性、眼鏡、ネイビーのジャケット」と書けば、そのアバターがストーリー全体で維持される。
キャラクター一貫性の大幅改善
Veo 3.1ではシーンをまたぐとキャラクターの顔や服装が変わる問題があった。Veo 4ではこの問題が大幅に改善され、クリエイターコミュニティから特に高い評価を受けている。
料金と使い方
Veo 4はGoogle Flowから利用できる。
| プラン | 月額 | Veo 4アクセス | 主な特典 |
|---|---|---|---|
| 無料 | $0 | なし(Veo 3.1のみ) | 月10回、720p、8秒 |
| AI Pro | $19.99 | あり | ストーリーボード、30秒、4K |
| AI Ultra | $49.99 | あり(優先) | 高頻度生成、プライオリティキュー |
無料ユーザーはVeo 3.1までしか使えない。ストーリーボードと4K出力を使うにはAI Pro以上が必要だ。
アクセス方法:
- Google Flowにアクセス
- Googleアカウントでログイン
- AI ProまたはAI Ultraプランに加入
- 「New Project」からストーリーボードを作成
Sora撤退後の市場地図
2026年3月24日、OpenAIがSoraの終了を発表した。1日あたり1,500万ドルの推論コストに対し、累計売上はわずか210万ドル。持続不可能なビジネスだった。
Soraの穴を各社が奪い合っている。現在の勢力図はこうだ。
| モデル | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| Veo 4 | ストーリーボード、4K、30秒、Googleエコシステム統合 | 無料では使えない |
| Seedance 2.0(ByteDance) | Video Arena Elo 1位、動きの自然さ | 中国規制の不確実性 |
| Runway Gen-4.5 | クリエイティブコントロールの細かさ | 価格が高い |
| Kling 3.0(Kuaishou) | コスパの良さ | 英語プロンプトの精度 |
Veo 4の最大の強みは、Googleのエコシステムとの統合だ。Google Vids(動画エディタ)、Lyria 3(AI音楽)、Imagen 4(画像生成)とシームレスに連携し、素材作りから編集・公開までGoogle内で完結する。
Veo 3.1からの進化まとめ
| 項目 | Veo 3.1 | Veo 4 |
|---|---|---|
| 最大尺 | 8秒 | 30秒 |
| 解像度 | 720p〜1080p | 最大4K |
| ストーリーボード | なし | あり |
| ゼロショットアバター | なし | あり |
| キャラクター一貫性 | 低い | 大幅改善 |
| 無料枠 | あり(月10回) | なし(有料のみ) |
どんな人に向いているか
向いている人:
- SNSやYouTube向けの短尺動画を頻繁に作るクリエイター
- 商品デモやプロモーション動画を内製したい事業者
- ストーリー性のあるAI動画を作りたい映像制作者
向いていない人:
- 無料でAI動画を試したいだけの人(Veo 3.1の無料枠で十分)
- 1分以上の長尺動画が必要な場合
- リアルタイム生成が必要な用途(ライブ配信等)
まとめ
Veo 4は「AIで動画を生成する」フェーズから「AIで映像を制作する」フェーズへの転換点だ。ストーリーボードによる複数シーンの一貫した制御は、これまでプロの映像制作者しかできなかったワークフローを、テキスト入力だけで実現する。
Soraが去り、AI動画市場は本格的な品質競争に入った。Googleは4K・30秒・ストーリーボードという明確な差別化で、その先頭に立とうとしている。
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