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Figmaに「デザインしといて」と頼める時代が来た — AI Agentベータの中身と限界

「この画面のボタンを大きくして、色をブランドカラーに変えて、テキストをもう少し短くして」

Figmaのキャンバスを見ながら、チャットで指示を出すだけでデザインが変わっていく。5月20日からベータ提供が始まったFigma AI Agentは、デザインツールの操作体験そのものを変えようとしている。

Figma Makeとは何が違うのか

Figmaには既にMakeという生成AI機能がある。プロンプトを書けばUIを一からつくってくれるアレだ。では今回のAI Agentは何が違うのか。

Makeは「ゼロからデザインを生成する」ツール。AI Agentは「既存のデザインを会話で編集する」ツール。

この違いは地味に見えて大きい。実務では白紙からデザインを起こすより、既存の画面を微調整する作業のほうが圧倒的に多い。レイアウトの調整、テキストの差し替え、デザインシステムへの準拠チェック。こうした「面倒だけど手を動かすしかなかった」作業を、自然言語で指示するだけで済ませられる。

何ができて、何ができないか

AI Agentがこなせるのは、新規デザインの生成、レイアウトの調整、コンテンツの追加・修正、デザインフィードバックの取得。デザインシステムのコンポーネントを理解しているので、ブランドガイドラインに沿った変更を指示すれば、フォントや色を正しく適用してくれる。

正直、ここは素直に感心した。AIが「きれいなデザインを作る」のは珍しくないが、「既存のデザインシステムを理解して、その制約の中で編集する」のは難度が違う。

一方で限界もある。複雑なインタラクションの設計や、微細なピクセル調整は人間の判断が必要だろう。あくまで「80%の作業を高速化する」ツールであって、デザイナーを置き換えるものではない。

ベータ期間中は無料 — ただし条件あり

対象プランはProfessional、Organization、Enterpriseの3つ。Starter、Government、Educationプランでは使えない。Full席のユーザーはすべてのファイルで利用でき、CollabやDev席のユーザーはDraftファイルのみで試せる。

ベータ期間中はAIクレジットを消費しない。GA(一般提供)開始後にクレジット制が適用される予定だが、具体的な料金は未発表だ。

アクセスは段階的にロールアウト中で、メールで通知が届く。待ちきれない場合はウェイトリストに登録できるが、登録しても確実にアクセスできる保証はない。

デザイナーの仕事はどう変わるか

AI Agentの本質は「デザイナーの生産性向上」だが、もう少し踏み込んで考えると面白い。

たとえばプロダクトマネージャーがFigmaのファイルを開き、AI Agentに「このモーダルのコピーを、よりユーザーフレンドリーな表現に変えて」と頼む。デザイナーに依頼を出してSlackでやりとりして修正を待つ一連のフローが、自分で完結してしまう。

デザインの民主化を加速させる可能性がある一方、デザイナーからすると「自分の知らないところでファイルが編集される」リスクも生まれる。Figmaがこのあたりの権限管理をどう設計するかは、今後注目すべきポイントだ。

さらに、5月28日にベータ開始したFigma MakeのPR作成・直接コード編集機能と組み合わせると、「AIにデザインを調整させ→そのままコードに反映→PRを作成」というフローがFigma内で完結する未来が見えてくる。デザインとコードの境界線が、かなり曖昧になりつつある。

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