Amazon Q Developer、来年4月でサポート終了 — 最新モデルはもうKiroでしか使えない
Amazon Q Developerを日常的に使っている開発者にとって、見過ごせない発表があった。
AWSは4月30日に公式ブログで、Amazon Q DeveloperのIDEプラグインおよび有料サブスクリプションのサポートを2027年4月30日をもって終了すると発表した。後継はAWSが開発するspec-driven IDE「Kiro」。移行期間は12ヶ月あるが、すでに動き始めている制限もある。
すでに始まっている変更
タイムラインを整理する。
2026年5月15日(済み): Q Developer Free Tierの新規アカウント作成がブロックされた。新規の有料サブスクリプション作成もできない。既存サブスクに新ユーザーを追加することは引き続き可能。
2026年5月29日: Q Developer ProからClaude Opus 4.6が削除される。Opus 4.5やその他の既存モデルは残るが、最新のOpus 4.7はKiro専用だ。
2027年4月30日: Q Developer IDEプラグインのサポートが完全に終了する。
つまり、すでに新規登録はできず、あと5日でOpusの最新版が使えなくなる。移行を先送りにする理由はあまりない。
影響を受けるもの、受けないもの
混乱しやすいポイントなので明確にしておく。
終了するもの:
- VS Code、JetBrains等のIDEプラグイン
- Q Developer Pro/Freeの有料・無料サブスクリプション
影響なし(そのまま使えるもの):
- AWS Management Console内のAmazon Q Developer
- AWSドキュメントサイト内のQ
- AWS Console Mobile App内のQ
- Slack・Microsoft TeamsのQ Developer Chat Apps
要するに、「IDEの中のQ Developer」は終わるが、「AWSコンソールの中のQ」は生き残る。AWSのインフラ管理にQを使っている場合は今回のサポート終了は関係ない。
KiroとQ Developerは何が違うのか
Kiroについてはすでに詳しく紹介しているが、Q Developerとの違いを端的に言えば「思想が違う」。
Q Developerは従来型のAIコーディング補助だった。コード補完、インラインチャット、ターミナル統合——CursorやCopilotと同じカテゴリのツールだ。
Kiroは「仕様書を先に書かせる」設計。自然言語の指示からまず構造化されたSpec(仕様書)を生成し、そのSpecに沿ってコードを書く。プロンプトを投げてすぐにコードが出てくるCursorとは対照的なアプローチだ。
この設計思想の転換が、AWSがQ Developerを「リブランド」ではなく「終了」した理由だろう。名前を変えて中身を継続するのではなく、根本的に別のツールとして出し直した。
移行のステップ
既存のQ Developer Proユーザーは、Kiroに同じ認証情報でログインすれば、Q Developer Proの特典がそのまま引き継がれる。データ移行のような大掛かりな作業は不要だ。
ただし注意点がある。Kiroはspec-driven開発が前提なので、ワークフローの変更は避けられない。「プロンプトを投げてすぐコードを書かせる」スタイルに慣れている人は、最初は戸惑うかもしれない。
Kiroの料金
| プラン | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | Vibeリクエスト50回/月、Specリクエスト0回(初回ボーナスあり) |
| Pro | $20(約3,100円) | 通常利用向け |
| Pro+ | $40(約6,200円) | 上位モデル対応 |
| Power | $200(約31,000円) | 大規模開発向け |
Q Developer Proは月$19だったので、Kiro Proの$20はほぼ同額。価格面での移行障壁は低い。
正直な所感
AWSが自社のAI IDEをわずか1年余りで終了させるのは、かなり思い切った判断だ。Q Developerは2024年4月に発表され、2025年に本格展開したばかり。ユーザーが定着する前に方向転換したとも言える。
ただ、現実を見ればこの判断は理解できる。AIコーディング市場ではCursorが評価額600億ドルに達し、Claude CodeやGemini Antigravityが猛追している。Q Developerのままでは「Copilotの二番手」から抜け出せなかった。Kiroのspec-driven開発は、少なくとも差別化の軸として明確だ。
問題は、Kiroが「差別化できている」ことと「ユーザーが移行したい」ことは別だということ。Cursorユーザーが「仕様書を先に書く」ワークフローに切り替えるかどうかは、まだ未知数だ。Kiro vs Cursorの比較も参考にしてほしい。
いずれにせよ、Q Developerユーザーに選択肢はない。期限は2027年4月30日。だが最新モデルの制限は5月29日から始まる。動くなら今だ。
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